2008.04.07特集

喧騒の現実を幻想的な「白昼夢」に

花が咲き競う「うつくしま」の花見山 理想の絵を妨げるものがあれば 幻想の世界に取り入れてしまおう
写真:丸山 泰人
(シャッタースピード:1/800秒(絞り優先AE)、絞り値:F5、ISO感度:200、レンズ:CANON EF70-300mmIS/F4-F5.6)

 福島県福島市にある花見山公園は、私有地でありながら、毎年約20万人の観光客が訪れる花の名所として知られる。春には梅、桜、桃、ボケ、木蓮など多種の花々が咲き競い、山全体が淡い桜色に染まる。丸山さんがこの写真を撮影した昨年4月も、ソメイヨシノが最盛期を迎え、花見に訪れる人の列が絶えなかったという。

 「ピーク時はあまりに人が多く、桜の木々だけをフレームにおさめることは不可能です。混雑を逆手にとり、花木の中をさまよう夢心地な人々を表現したら面白いと思いました」。そこで使用したのがソフトフィルター。さらに、ソフト効果を強調するために絞りを開放し、やわらかで幻想的な絵をとらえることができた。望遠ズームレンズでイメージどおりの画面を切り取っている。

 絶景とうたわれる場所を独り占めにできる機会はごくまれ。ならばその状況を別の雰囲気で演出することを楽しめば良い。丸山さんの自由な発想が生み出した一枚は、絵画のような仕上がりだ。


画題を決めてイメージを追い求める

(シャッタースピード:1/400秒(絞り優先AE)、絞り値:F8、ISO感度:200、レンズ:CANON EF70-300mmIS/F4-F5.6)

 こちらは画題を「天空の花園」としてとらえた一枚。空を覆っていた雲が徐々に晴れ、青空が顔を覗かせたのを見て撮りたいイメージが浮かんだという。花見山の中腹とはるか遠くの雲が同じ高さに見える位置まで移動し、さらに望遠ズームレンズで遠近感を圧縮した。

 「場所を少し移動するだけで写真は劇的に変化します。積極的に自分が動いてアングルを決めていくことが大切です」。欲しい絵をおさえるまで試行錯誤を繰り返した渾身の一枚だ。


Canon EOS 30D
Canon EOS 30D

20年前、Canon EOSシリーズの第1弾機種「Canon EOS 650」を購入。以来、操作性のシンプルさと洗練された外観に慣れ親しんできた丸山さん。交換レンズが共用できるという利点から、デジタル一眼レフも同メーカーを選んだ。最近はデジタル一眼レフでの撮影が主だが、発色と立体感、一発勝負での絵づくりの楽しさを味わいたい時はフィルム式一眼レフのEOS 650を使用。リバーサルフィルムで撮影を楽しんでいるという。

Canon EOS 30Dについてもっと知る


丸山 泰人

福島県在住。08年3月まで地域情報サイト「ふくしまなんでも情報局」運営。関連サイト「ふくしま、今日の一枚」では、花見山公園をはじめ、福島市の何気ない表情を写真におさめて紹介している。

ふくしま、今日の一枚 花見山通信2008

<< 前のページへ 5/5 次のページへ >>

»特集一覧