旅・宿・移住

2007/07/21

『怪奇大作戦』〜“京都買います”ロケ地めぐりのススメ 

円谷プロダクション制作の『怪奇大作戦』をご存知ですか?その中に、高度経済成長の中、変わり行く京都について考えさせられる名作『京都買います』があります。この夏、少年時代に戻ってロケ地をめぐってみませんか?

小説家・川端康成が友人である日本画家・東山魁夷にこんな事を言ったそうです。「京都を描くなら今 のうちですよ。」それを機に東山魁夷が『京洛四季』を発表したのが昭和43年11月でした。この頃から京の町並は、だんだんと昔の面影を失くしていったのです。
『怪奇大作戦』は、奇しくも同じく昭和43年の9月から翌昭和44年3月まで、TBSで放映された一話完結のテレビドラマです。『ウルトラセブン』などの空想特撮シリーズで高い評価を得た円谷プロでしたが、その後方向転換をし、「円谷プロ=怪獣特撮」というイメージを覆したのがこの『怪奇大作戦』。
警察で解決できない怪事件が起こると、主人公・牧史郎を中心とするS.R.I.(科学捜査研究所)のメンバーたちが捜査するというものなのですが、中でも一風変わったタイトルなのが、第25話の『京都買います』です。
 監督は、あの実相寺昭雄、脚本は佐々木守、そして監修は円谷英二。高度経済成長期、変わりゆく京都にあの当時警鐘を鳴らした作品は、今となっては懐かしい古都の姿を撮った、とても貴重な作品になっています。

ストーリーはというと…京都の寺院で次々に国宝級の仏像が姿を消す事件が起きる。捜査を開始するS.R.I.。そんな中、仏像研究の助手をする美しい女性・美弥子が繁華街で踊り狂う若者たちに「京の町を売ります」と書かれたビラを配り、署名を求めていた。彼女にほのかに想いを寄せる牧が問うと、美弥子は「買ってしまいたいんです。仏像の美しさの分からない人たちから京の町を…。」と答えた―。 科学捜査の世界に生きる男と、古き伝統の美に心を奪われた女との切ない恋物語です。
今、見返してみると、懐かしい京都の風景が各所に散りばめられ、大変魅力的な作品です。お話の続きは、2004年にデジタルリマスターされたDVDが発売されているので、是非、実際にご覧いただきたいものです。(『京都買います』は第六巻に収録)

さて、では、この『京都買います』に出てくるロケ地めぐりを始めましょう。
まず、最初は第25話のサブタイトルバックにあった「広隆寺」。嵐電の太秦(うずまさ)駅で下車すると、もう目の前です。
 真言宗御室派大本山で、推古11(603)年に秦河勝が聖徳太子から仏像を賜り、これをご本尊としたのが始まりといわれています。寺宝の多い寺ですが、特に国宝の「弥勒菩半跏像はあまりにも有名。「国宝第一号」としても知られていますね。
かつて、昭和30年代に、この像を拝観に来た京大生が、つい美しさに魅せられて、右手の薬指を折ってしまったという事件がありました。そんな魅惑的な仏像がある広隆寺の映像から入るところが流石だなぁと思わずにはいられません。





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