知っておきたい日本人のしきたり〜夏越の祓(なごしのはらえ)
最後に、ちょっと美味しい話を一つ。 現在、京都では夏越の祓の日に「水無月」という菓子を食べる習慣がありますが、この水無月はこの氷室の氷を模ったものと言われています。
現在のような冷房のない時代、貴族たちが夏の暑さを和らげるために利用していた「氷室」。冬の間に出来た氷を夏まで貯蔵し、毎年6月1日には「氷の節供(せっく)」としてこの氷室から運び出した氷を神様に捧げ、その一片を口にして邪気を祓う神事が行われていたのです。
しかし、「氷」など、一般庶民には手が届かない品。そこで、いつしか氷を模した菓子ができたというわけです。
「水無月なんて年中売っているよ」と思っていませんか?
京都の老舗の和菓子屋さんでは今も頑なに、夏越の祓の日前後(6月29,30日)しか作らないお店もあるんですよ! こうした行事にちなんだお菓子は、特定の日に食べてこそ御利益があるというもの。
そうやって、日本のしきたり、季節感は大切に受け継がれていくのかも知れませんね。
元々謂われのあった祝日さえ、連休にするためにどんどん意味の無い日に安易に移動させようとする昨今、こうした凛とした京都のお店が、連綿と続いてきた日本のしきたりをしっかりと守ってくれているんですね。
写真解説:
1枚目:茅の輪くぐり(護王神社)
2枚目:茅の輪のくぐり方(〃)
3枚目:塩芳軒の水無月(6月29,30日の二日間のみ販売。予約をおすすめします)
4枚目:西陣の老舗 御菓子司 塩芳軒(しおよしけん)





