「セルフビルドのログハウスが、材工一式のスウェーデンハウスに」の巻
移住先は八ヶ岳南麓と決まった。今度は建物の番である。それまで長い間、田舎に移り住むなら、「絶対ログハウスがええ!」と考えていた。それも、「自分で建てたる!」と、妙に意気込んでいたものである。ログハウスならキットでも販売されているから、素人でも意外と簡単に建てることができる…と、そう思い込んでいたのだ。
何より、自分で建てるとなると建築費が格段に安いというのが魅力的である。例えば、TALOインターナショナルの延べ床面積99.7坪のLO4A型モデルキットなら1000万円前後だから、一般住宅の半値以下である。これなら、うまくいけばローンを組まなくても済むかも。建物の方も、半年間毎週末土日を費やせば、何とかこの細腕でも建てられるだろうと高を括っていた。しかしよく考えてみたら、犬小屋ひとつ作ったことのないこの身。「パパの作った家なんか住めないわよ!」との家族からの猛反対もあって、これはあえなくオジャンに。 それならばと、今度はワンンランンク上質のホンカやビックフットに材工一式で建ててもらおうと調べ直したら、延べ床面積38坪程度のログでも2000〜2500万円。これに数百万円の基礎工事代や設備費を加えたら、総額は2500〜3000万円台へと一気に跳ね上がってしまうことが判明。一時はビックフットのファインカットログの大屋根スタイルが大のお気に入りで、購入直前までこぎ着けたのだが、これも我が家のか細い家計では「贅沢すぎるわ!」との妻のひと言で却下。またもや振り出しに戻ってしまったのだ。
そんな時に声をかけられたのが、現在の八ヶ岳の土地を購入したオザワホームの社長である。「あのうー、うちでも家建てられるんですけどー」と、ボソッと語ったそのひと言が、この後の意外な展開をもたらしてくれたのである。実のところ、その時はほとんど期待もせず、同社長が建てたモデルハウスを覗いたのだが、これがひと目惚れ状態。在来工法とはいえ、スウェーデンから取り寄せた建具をふんだんに使ったおしゃれな造りで、窓はすべて2〜3重ガラスで大きく、扉は高さ2.1m、天井も1階が2.7m、2階に至っては5m以上と開放感も抜群。木目の美しい木と漆喰風の白壁だけで統一された落ち着いた佇まいに、夫婦ともども顔を見合わせて「これ、えーやないか!」と頷くことしきり。 肝心の建築費も、基礎工事費は勿論のこと、カーテンや照明器具に至る設備一切込みで、坪単価47万円というから、なんとか我が家の予算内にもすんなり収まりそうだ。「わし決めたで。スウェーデンハウスで決まりや!」と、ほとんど即決状態で購入を決意したのである。簡単な手書きの図面を手渡しただけで、後はまったくのおまかせ状態。それでも半年後には、ほぼ希望通りのマイハウスが完成したのであった。




