八ヶ岳南麓に「ええ家建てたるでぇ」の巻
「これや!この景色がわしの探しとった所やねん」
田舎暮しを決意して早や1年。那須、軽井沢はもとより、伊豆、箱根、富士五湖周辺をさんざん歩き回って、終の住処を探し求めた末にたどり着いたのが、八ヶ岳南麓に広がる雄大な大地である。
裾野面積日本一というだけあって、視界をさえぎるものもない。しかも、隣接の明野村は日照時間日本一というから、気候の面でも文句なし。
「わし、ここに住む! 決めたで!」と、家族を前に高らかに宣言するや、さっそく土地探しを開始したのだ
「予算は800万円以内で200坪、できたらすぐ隣に200〜300坪の畑が借りられたらええんやけど…」と、飛び込みで訪れたとある不動産会社の社長を前に、なんとも紅顔無知な要求である。それでも、『大丈夫ですよ。いい所紹介しますから…』とあっさり言いのけた社長の返事に喜び勇んでついて行ったものの、案内されるのは、谷間の沢地だったり辺鄙な土地だったりと、魅力に欠ける所ばかり。すっかり気分も萎えはじめた頃、「諦めるのはまだ早いですよ、お客さん。とびっきりの物件が残っていますから」と、不敵な笑みを湛えながらそうのたまう。どういうわけか、これが、今までとは打って変わって、区画の整った、一見立派そうに見える別荘分譲地なのだ。子供たちも、「パパ、いいね。ここにしようよ」と大はしゃぎだ。
「よっしゃ、ここに決めるで!」と意を固めるが、実はこれがとんでもない食わせ物だった。先住者に話を聞いてみると、購入後にすぐできるはずだった建築認可に必要な道路をなかなか作ってもらえなかったというのだ。すったもんだのあげくようやく作ってもらったというのが真相。口角泡を飛ばしながら、「あんな不動産屋とは二度と付き合いたくないよ」のきついひと言。その剣幕に押されてか、購入の気も失せて、我が家の土地探しも振り出しに戻ってしまった。「さんざん箸にも棒にもかからない土地ばかり案内し続けたのも、結局ここを買わせるための作戦だったのね」という妻のひと言が、グサッと心に突き刺さっていく。
土地探しも暗礁に乗り上げて意気消沈していたそんな頃に出会ったのが、現在の土地を購入することになった、不動産業も兼ねる設計事務所のオザワホームである。社長の小沢さんは、職人肌で朴訥。口先だけで世間を渡り歩いてきたようなこれまでの不動産屋とは大違いで、その人柄に惹かれたのも購入理由の大きな要素だったかもしれない。
小沢氏の所有する土地は、これまで散々案内され続けてきた林の中の別荘地ではなく、田畑が点在する集落の中。上下水道も整った分譲住宅地で、坪単価も納得できる数値内。何より、八ヶ岳はもとより、南アルプス、富士山、茅ケ岳と、四方を取り巻く山並みの美しさが抜群。おまけに、すぐ隣に700?坪を超える畑まで借りられるというから有り難い。即座に、「ここや、ここにええ家建てたるからな!」と、またもや家族に一方的に宣言して、みんなの目を丸くさせたのである
「わし、ここに住む! 決めたで!」と、家族を前に高らかに宣言するや、さっそく土地探しを開始したのだ
「予算は800万円以内で200坪、できたらすぐ隣に200〜300坪の畑が借りられたらええんやけど…」と、飛び込みで訪れたとある不動産会社の社長を前に、なんとも紅顔無知な要求である。それでも、『大丈夫ですよ。いい所紹介しますから…』とあっさり言いのけた社長の返事に喜び勇んでついて行ったものの、案内されるのは、谷間の沢地だったり辺鄙な土地だったりと、魅力に欠ける所ばかり。すっかり気分も萎えはじめた頃、「諦めるのはまだ早いですよ、お客さん。とびっきりの物件が残っていますから」と、不敵な笑みを湛えながらそうのたまう。どういうわけか、これが、今までとは打って変わって、区画の整った、一見立派そうに見える別荘分譲地なのだ。子供たちも、「パパ、いいね。ここにしようよ」と大はしゃぎだ。
「よっしゃ、ここに決めるで!」と意を固めるが、実はこれがとんでもない食わせ物だった。先住者に話を聞いてみると、購入後にすぐできるはずだった建築認可に必要な道路をなかなか作ってもらえなかったというのだ。すったもんだのあげくようやく作ってもらったというのが真相。口角泡を飛ばしながら、「あんな不動産屋とは二度と付き合いたくないよ」のきついひと言。その剣幕に押されてか、購入の気も失せて、我が家の土地探しも振り出しに戻ってしまった。「さんざん箸にも棒にもかからない土地ばかり案内し続けたのも、結局ここを買わせるための作戦だったのね」という妻のひと言が、グサッと心に突き刺さっていく。
土地探しも暗礁に乗り上げて意気消沈していたそんな頃に出会ったのが、現在の土地を購入することになった、不動産業も兼ねる設計事務所のオザワホームである。社長の小沢さんは、職人肌で朴訥。口先だけで世間を渡り歩いてきたようなこれまでの不動産屋とは大違いで、その人柄に惹かれたのも購入理由の大きな要素だったかもしれない。
小沢氏の所有する土地は、これまで散々案内され続けてきた林の中の別荘地ではなく、田畑が点在する集落の中。上下水道も整った分譲住宅地で、坪単価も納得できる数値内。何より、八ヶ岳はもとより、南アルプス、富士山、茅ケ岳と、四方を取り巻く山並みの美しさが抜群。おまけに、すぐ隣に700?坪を超える畑まで借りられるというから有り難い。即座に、「ここや、ここにええ家建てたるからな!」と、またもや家族に一方的に宣言して、みんなの目を丸くさせたのである 



