「月30万円ちょっとで、親子4人優雅に食べていけるで…」の巻
仕事は面白いが、食べていくのが「大変やねん!」
一見華やかそうに見える写真家という職業も、実状は多かれ少なかれ、みんな台所事情は火の車。独身者や夫婦2人でしっかり稼いでいる場合はともかく、1人で妻子を背負って60才過ぎてまで働き続けるというのは、実は結構至難の技である。
しかも、半ば体力勝負の仕事柄ゆえに、写真家としての寿命は短く、50才を超えたらもう、ほとんどおしまい。筆者の場合は自ら経営する編集プロダクションからの利益もあるから、今のところ何とか賄えているが、それでも、東京で高いマンションの賃貸料を生涯払い続けていくのは大変である。現に、三鷹に住んでいた頃は、家賃と駐車場代だけで毎月20万円。これに、食事代や子供の学資代、税金、保険代など諸々の経費を加えれば、月50万円や60万円などあっという間に飛んでいく。ただでさえ稼ぎの見込みの薄い業界に生きているのに、死ぬまで、これだけの金額をコンスタントに稼ぎ続けていくのは、体力的にも無理。頑張り過ぎてポックリ逝ったら、かえって「大変や」からね。筆者の田舎暮しへの決断は、まさにそんなお金の問題が大きく絡んでいたことは言うまでもない。
じゃあ、八ヶ岳に移り住んでからの経済的な問題は「どうなってるんや?」というと、はっきりいって、「安いわ!ほんま」と、密かにニコニコ顔。なんせ、家のローンは月8万円余りと、東京時代の半分以下。食材のうち、野菜はほぼ自家製だからほとんどお金もかからないし、何処へも遊びに行きたいと思わないから、遊交費は限りなくゼロに近い。田舎に暮らしていると、何かにつけ暮らしぶりが質素になってくるから、思った以上にお金がかからないのだ。特に倹約することもなく普通に暮らしていても、今の我が家で必要な生活費は、締めて月30万円ちょっと。東京時代の半分近くの金額で暮らしていけるのだから、「楽チンやで!」。
東京なら、たとえ今の3倍4倍のお金をかけたとしても、自然に恵まれたこんな優雅な暮らしぶりは「真似でけへんかったやろうなぁ」と思うと、我が家の八ヶ岳移住は、苦肉の策で始まったとはいえ、かえって大きな成果をもたらしてくれたのだからありがたい。世の中、やってみないと「わからんもんや」。余ったお金はローン返済にあてて、早めにセミリタイアっちゅうのも悪くないかも。それから後は、仕事も遊びも「好きなようにやらせてもらいまっせ!」 



