森に囲まれたネイチャー・ビーチリゾート
森の香りに満ちたビーチリゾートがある。ビーチリゾートと称するからには、周囲の景観としての「緑」はもちろん重要な要素ではあるものの、やはり「海」の居住まいがその価値を決定付ける最大の要因であることは否めない。
だが正確には、「否めなかった」とでも言うべきだろうか。最近
、その価値観に変化の兆しが見え始めている。美しい沿岸部を持つ熱帯雨林のなかに、まさに「森に抱かれた」かたちで存在するビーチリゾートが、着々とその数を増やし始めているのだ。美しい海に臨んで建つホテルの背後に、覆いかぶさるように迫り来るジャングル。ホテルによっては、それらジャングルを丸ごと敷地のなかに取り込んでいる場合もある。
こうしたホテルに一歩足を踏み入れただけで、これまでのビーチリゾートとは違ったにおいが周りに充満していることに気づく。「爽やかで、かすかな潮風、それ以外はどこまでも澄み切った無色透明な香り」ではない。そこには、鬱蒼とした森の呼吸が、そのままホテルのロビーにも流れ込んできているのだ。
そんな場所にあるホテルだからこそ、部屋にいても、ダイレクトに五感を揺さぶってくる自然がある。朝から晩まで多くの鳥達のさえずりはやむことはない。リゾートライフにおいては歓迎すべきでないスコールに見舞われたとしても、雨があがり後の水蒸気がもうもうとたちのぼる森の風景は圧巻だ。海側に目を向ければ、これまで見たこともないようなスケールの大きな虹が、海に大きな橋を架けている。ちょっと足をのばせば、とかく珍しいものとして扱われがちなマングローブをあちこちで当たり前のように生息している。淡水と海水が複雑に交じり合う、こうした地域ならではの必然とでも言えよう。
部屋のなかに虫が入ってくることはそれほどないが、部屋の外、夜のバルコニーに
虫たちが集まってくることは当たり前の光景だ。ヤモリが壁をすり抜けていくことも日常茶飯事。ただ、こうした自然の生き物の活動と、そのホテルの部屋の清潔さを直接結び付けて考えるのは、あまりにも短絡的過ぎる。むしろ、これこそネイチャー・ビーチリゾートの最大の醍醐味なのではなかろうか。虫がほとんど出てこないとすれば、それこそ疑ってかかったほうがいい。世界に冠たるネイチャー・ビーチリゾートホテルほど、自然との共生のあり方を模索しながら、都会につくるホテルとはテイストが異なる設計に腐心しているものだ。
熱帯雨林の宝庫とも言うべきマレーシア・ボルネオ島をはじめ、オーストラリアやタイなど、こうしたリゾートは増えている。もちろん、こうしたホテルそのものが、熱帯雨林を切り拓いて建てられているにも紛れもない事実だ。ただ、こうしたホテルだからこそ、自然の息吹をさらにリアルに感じる機会を我々が感じ取れるのもまた事実だ。深い森が放つ朝の澄み切った空気を吸い込みながら、様々な思索にふけるのも感慨深い。エコツアーというキーワードだけで括れない魅力がここにはある。
、その価値観に変化の兆しが見え始めている。美しい沿岸部を持つ熱帯雨林のなかに、まさに「森に抱かれた」かたちで存在するビーチリゾートが、着々とその数を増やし始めているのだ。美しい海に臨んで建つホテルの背後に、覆いかぶさるように迫り来るジャングル。ホテルによっては、それらジャングルを丸ごと敷地のなかに取り込んでいる場合もある。 こうしたホテルに一歩足を踏み入れただけで、これまでのビーチリゾートとは違ったにおいが周りに充満していることに気づく。「爽やかで、かすかな潮風、それ以外はどこまでも澄み切った無色透明な香り」ではない。そこには、鬱蒼とした森の呼吸が、そのままホテルのロビーにも流れ込んできているのだ。
そんな場所にあるホテルだからこそ、部屋にいても、ダイレクトに五感を揺さぶってくる自然がある。朝から晩まで多くの鳥達のさえずりはやむことはない。リゾートライフにおいては歓迎すべきでないスコールに見舞われたとしても、雨があがり後の水蒸気がもうもうとたちのぼる森の風景は圧巻だ。海側に目を向ければ、これまで見たこともないようなスケールの大きな虹が、海に大きな橋を架けている。ちょっと足をのばせば、とかく珍しいものとして扱われがちなマングローブをあちこちで当たり前のように生息している。淡水と海水が複雑に交じり合う、こうした地域ならではの必然とでも言えよう。
部屋のなかに虫が入ってくることはそれほどないが、部屋の外、夜のバルコニーに
虫たちが集まってくることは当たり前の光景だ。ヤモリが壁をすり抜けていくことも日常茶飯事。ただ、こうした自然の生き物の活動と、そのホテルの部屋の清潔さを直接結び付けて考えるのは、あまりにも短絡的過ぎる。むしろ、これこそネイチャー・ビーチリゾートの最大の醍醐味なのではなかろうか。虫がほとんど出てこないとすれば、それこそ疑ってかかったほうがいい。世界に冠たるネイチャー・ビーチリゾートホテルほど、自然との共生のあり方を模索しながら、都会につくるホテルとはテイストが異なる設計に腐心しているものだ。 熱帯雨林の宝庫とも言うべきマレーシア・ボルネオ島をはじめ、オーストラリアやタイなど、こうしたリゾートは増えている。もちろん、こうしたホテルそのものが、熱帯雨林を切り拓いて建てられているにも紛れもない事実だ。ただ、こうしたホテルだからこそ、自然の息吹をさらにリアルに感じる機会を我々が感じ取れるのもまた事実だ。深い森が放つ朝の澄み切った空気を吸い込みながら、様々な思索にふけるのも感慨深い。エコツアーというキーワードだけで括れない魅力がここにはある。





