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2007/05/03

静寂さを取り戻したリゾート、タイ・ピピ島

 タイ・ピピ島は、マレーシア・ランカウイ島からタイの海上国境線をまたいで北上すること200km、個性豊かな豪華リゾートが軒を連ねる景勝地・クラビーの40km沖合にある。さらに沖合へ向けて船で2時間ほど行けばお馴染みのリゾートエリア、プーケット島である。そんな位置関係も影響したのか、この島の秘境が「知る人ぞ知る」存在になるのは、随分と早かったようだ。

 この島を語る時、必ず出てくるキーワードは2000年に公開された映画『ザ・ビーチ』。レオナルド・ディカプリオ主演で日本でも大きな話題となり、原作も大ベストセラーになった。その舞台になったのがここピピ島である。数十メートルの高さでそそり立つ断崖絶壁から、鮮やかなライトグリーンに輝く海へと飛び込むワンシーンはCMなどで記憶している方は多いかもしれない。

 火山活動でなく石灰岩によって形作られたこの島は、周囲を屹立した岩壁によって囲まれている。2004年暮れにスマトラ島沖地震によって発生した大津波がピピ島にも押し寄せた。この島が変わってしまうかもしれない、そんな思いがよぎったのは事実だろう。だが、この島の自然は、そんなヤワなものではなかった。甚大な被害をもたらした津波などなかったかのように、この島全体を、以前に増した静寂が優しく包み込んでいる。近年、過度な観光開発が心配されたエリアも、珊瑚礁の復活はハイペースで進んだ。穏やかなピピ島の魅力は倍加していると言っていいだろう。

 ピピ島は、実際にはピピ・ドン島とピピ・レイ島のふたつからなっている。ピピ・レイ島は、小さな無人島で映画『ザ・ビーチ』のメインロケが行われたマヤ湾があり、この島屈指のビーチを持つ。複雑にいりくんだ地形の至るところに穴場スポットがあり、シュノーケリングだけでもあっという間に1日が過ぎてしまう。比較的深度の浅いスポットが多く、気楽に潜るのにも絶好の場所となっている。ピピ・ドン島は深い自然に覆われてリゾート施設が点在している。標高が高く、見事な眺望を持つスポットも数多い。ボートで入り江をホッピングしながら、気が向いたら丘にあがってのんびり過ごすなんて一時もたまらない。ピピ島はきっと燕の巣の名産地なのだろう。外海の波に洗われた絶壁に、燕の巣を取るための木組みがされている場所をよく目にする。燕たちにとってピピ島の岩肌は絶好の隠れ家になるらしい。

 ピピ島の宿泊は、島北部にあるラグジュアリー・リゾート『ジボラ(Zeavola)』をおすすめしたい。広大な敷地に50室あまり、その全てが独立型のヴィラになっている。西洋料理とタイ料理を見事に融合させた本格派「Baxil」、カジュアルな雰囲気のなかで厳選されたシーフードを楽しめる「Tacada」の2つのレストランは、食事だけに訪れるリピーターがくるほどの大看板。長い滞在でも、その味に飽きることは全くない。アンダマン海にポツンと浮かぶ絶海の孤島で、ひっそりと過ごすリゾートライフ。近い距離にあるクラビーやプーケットの華やかさと一緒に味わうのも、タイならではのバカンスの過ごし方なのかもしれない。





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