まるで寒中水泳の様な寒さだった!!ニュージーランド 〜スイム編〜
<スイムスタート直前の緊張感…コレがたまらなく心地良い!!>
トライアスロンのスイムスタートは何度やっても緊張する。
どんなに練習をしても・・・である。
しかもロングレースになるとスタートは早朝となり、会場で準備を始める午前5時〜6時はまだ辺りは薄暗い。
選手の緊張感が辺りに充満していて、何ともいえない雰囲気がある。
完走を誓い準備を進める選手と、それを見守る家族やボランティアなどの関係者。
会場の様々な人たちの思いが目に見えないオーラとなり、言葉では言い表せない一体感がある雰囲気が私は好きである。
スイムは、“海”で泳ぐこともあれば“湖”や“河”もしくは“プール”の場合もある。
また国によっては、スタート時と日中の気温差が大きい場合があり、開催地の季節や気候・ローカルルール等を考慮した、事前の準備と心構えが必要である。
そこで、今まで私が出場したレースの中から、印象に残るスイムのお話をしたいと思う。
<海亀もいる最高に美しい海・・・全日本トライアスロン宮古島大会>
宮古島の海はどうしてこんなに美しいのだろうか?
私が今までのレースの中で一番美しい場所で泳ぐことができたのはどこか?と聞かれたら迷わずこの宮古島大会を上げる。
“東洋一の美しい砂浜”と言われるスタート会場の”前浜ビーチ”の美しさはまさに天国。
表現しがたいカクテルブルーの海と真っ白な砂浜を初めて目にした時は
「日本にもこのような素晴らしい砂浜があったのか」と心の底から感動した。
ところで私は2003年のレースで泳いでいる時に、私の真下を体長1m以上はある海亀が悠然と泳いでいるのを目にしたことがある。
1500名の選手が一斉に泳ぐと周りの魚もびっくりするのか、普段は生き物を見かける事はあまりないのだが、この海亀はまるで、「毎年ご苦労なことです・・今年もみんな頑張れ〜」とでも言っているかの様であった。
ところで宮古島のスイム競技はサポート体制も充実している。 海の底には海亀だけでなく、人間もいるのである。
海の底にウエットスーツとボンベをつけた何人もの潜水士が私たち選手に異常がないか、見守ってくれているのである。
選手の中には泳ぎながら、潜水士に手を振る人も居るそうで、宮古島のサポート体制の充実さを物語るワンシーンである。
(ちなみに上記の写真は昨年のスイムスタートであるが、昨年はスタート直前にスコールが降り、あいにくの曇り空であった。これが快晴であると、カクテルブルーの海の美しさが際立ち、まさに楽園の様相を呈する)
<あまりの寒さに震えた・・・アイアンマンニュージーランド>
”競技距離:スイム3.8km バイク180km ラン42.195km 制限時間:17時間 ”

ニュージーランドではスイムは海ではなく、湖で行う。名前はタウポ湖。(上記写真、2005年のレース出場時のもの)
北島最大の湖でありランの時、この湖畔から見る国立公園トンガリロ山の雄大な景色は息をのむ絶景だった。
タウポ湖では、フィッシングやクルージングが盛んに行われ、湖岸にはマオリ族の遺跡もある。
開催時期である3月、ニュージーランドは夏から秋に変わる時期であり、「一日に四季がある」と言われるほど気温の差が激しい。
初めて出場した時、スイムスタート直前は吐く息が白くなるほど気温が下がり(おそらく10度位だったのではないか)、ウエットスーツを着た選手たちがストーブの周りで暖を取っている光景を見て、私は「寒中水泳じゃないんだから、こんなに寒いとスイムは中止か?いや中止になって欲しい!」と願ったが、この気温は普段どおりだったらしく、もちろん中止にはならなかった。
しかし湖に入ってみると水温は想像に反して温かく、何とか泳ぐことができた。
(それでも水温はかなり低く、泳ぎ始めは満足に息継ぎもできず、完泳できるか本当に不安だったが、だんだん体も温まりクリアすることができた。この時のスイムはいい経験になると共にこれ以降、スイムスタート前にハプニング等が起きてもあせることはなくなった)
ちなみに、ニュージーランドのスイムは湖なので、海で泳ぐときに比べ浮力が落ちる。
しかし一方で、透明度の高い美しいタウポ湖を泳ぐのは気持ち良かった。
しかもどんなに水を飲んでも海水のようにしょっぱくないので、途中でのどが渇いたりすることもなく、私はこのタウポ湖で泳ぐのも好きである。
ただしあの寒さだけは、苦手であるが・・・。
前々回でも述べたがアイアンマンマレーシアは、気温が40度以上になる灼熱のレースである。
よってスイム会場となるジェッティ・ポイントの海水温も非常に高く、
ここでは“ウエットスーツ無着用”がルールとなっている。
ルール説明会の時に、ある海外選手がレースディレクターに「どうしてもウエットスーツは着ては駄目なのか?」と聞いたところ、それに対しレースディレクターが「あなたがどうしても着たい、というなら着てもいいが、絶対に完泳はできないぞ・・・」と冗談交じりで言っていたがレース当日、海の中に入ってみて納得した。
ぬるま湯の様に温かい海水で、確かにウエットスーツを着て泳いでいたら脱水症状でリタイヤは間違いないと思った。
このマレーシアの海の特徴は、プランクトンが多いのか、水が濁っていて海水の味も濃く感じた。(おそらく海がきれいなために魚の餌となるプランクトンが多く発生しているのだろう)
また泳いでいると、顔や首の辺りがチクチクしてくる。
事前にレース経験者から聞いた通り、この海には“クラゲ”がかなりいるらしい。
クラゲよけクリームをキチンと塗っておけばよかった・・・と思いながら3.8kmを泳ぎきった。

ちなみに、このマレーシアでのスイムはまだ日の出前の薄暗い時にスタートするのだが、折り返し地点に付く頃には太陽が上がり始め、泳ぎながらではあるが、スイム会場の脇にあるイーグルスクエア(巨大な鷹の像)やマングローブ林などを眺めながら泳ぐことができる。 (上記の写真がそうである。スタート直前のイーグルスクエアは何となく幻想的であった)
神奈川県横須賀市の浦郷沖がスイムコース、日産自動車追浜工場内特設コースがバイクとランコースになる都心型レース。
ここのスイム会場は、横須賀とはいえ火力発電所など工場が立ち並ぶ工業地帯である。
海の水は汚染されていないのか?海水を飲んでしまってもお腹をこわしたりしないのか?といった不安の中スタート。
実際に泳いで見ると、30cm先の自分の手も見えない程、海水は濁っている。
息継ぎの時に見えるブイと陸地の景色だけを頼りに自分の位置を確認する。
しかし考えを変え、普段この様な場所では絶対に泳ぐことはできない、自分は貴重な経験をしているのだ、と持ち前の楽観主義的考えで泳ぎきった。
もちろん、たらふく海水を飲んでしまったが、お腹を下すこともなく無事完走した。
レース名は“東京都トライアスロン大会”ではあるが、会場は伊豆の修善寺にある“修善寺サイクルスポーツセンター”である。
このサイクルスポーツセンターは競輪選手のトレーニング施設で、プールや筋力トレーニング施設などもある。
よって施設内にある50mプールがスイム会場となる。
このプールを往復して1.5kmを泳ぐのである。景色を楽しむ事はできないが、プールであるから安心して泳ぐことができる。
トライアスロンのスイムは必ずしも海や湖だけではない、ということを知って頂くために紹介した。
どうですか皆さん?トライアスロンのスイムといっても、環境や気候で全く違うことが分かりましたでしょうか?





