HY、D-51…偶然が偶然を呼び寄せる。 沖縄にはそんな偶然のパワーがある気がしてならない

HYは、高校時代の友達同士で2000年に結成された沖縄出身の5人バンドだ。メンバーは新里英之(Vo&G)、宮里悠平(G)、許田信介(B)、名嘉俊(Ds&Rap)と紅一点の仲宗根泉(Vo&Key)。メンバーの地元、うるま市の東屋慶名(ひがしやけな)の地名にちなんで、HYと名付けられた。高校時代から時間が許す限り美浜のストリートでライブを行っていた彼ら。「自分たちほど美浜でライブやったバンドは、ほかにいないんじゃないかな」(名嘉)というほど。
2001年9月に1st.アルバム『Departure』を沖縄限定で発売。その後、全国発売して一気に注目のバンドとなった。2002年4月には2nd.アルバム『Street Story』をリリース。このアルバムは、オリコンチャート4週連続1位を記録。
翌年に3rd.アルバム『TRUNK』(オリコン1位)を発表。この時のレコ発ライブ@美浜が、僕の偶然目撃したストリートライブだったのである。そして2006年4月に4th.アルバム『Confidence』を発売。これも2週連続オリコン1位を獲得。インディーズとしては初の快挙となったのは記憶に新しいところだ。

この年は全都道府県をめぐるライブツアーを行い、すべての会場で即日ソールドアウトに。年末には日本武道館と大阪城ホールでの初ワンマンを成功させ、その勢いを持続しながら、2007年はカナダ・トロントを皮切りに全米7カ所で初の海外ツアーを行い、実力をつけて帰国。この経験を生かして制作に向かった待望の5th.アルバム『HeartY』が4/16にリリースされる。
2/10、このニュー・アルバムのリリースを前にして、HYは美浜カーニバルパークに設けられたステージに立っていた。
HYのロゴの描かれた旗がこの日も、風になびいていた。はためく旗と、千人以上集まったファンの人たちの中でできたばかりの新曲を披露するHYの演奏を聴きながら、僕は沖縄で出逢った数々の“偶然”を想いかえしていた。

HYのストリートライブに初めて遭遇してから3年半。その間にHYは、アルバムを発表すればチャート1位を獲得し、ツアーを行えば全公演即日完売となるまでのバンドに成長していた。しかし彼らは今でも年に一度、この場所に戻ってくる。なぜなら、高校生時代の彼らがいつもストリートライブをやっていた原点の場所だからだ。
いくらビッグなバンドになったとしても、自分たちの原点を忘れたくない。そして新曲は、地元沖縄で、しかもこの原点の場所でファンの人たちに最初に聴いてほしい。そんな気持ちから、HYはアルバムを完成させるたびにこのストリートに戻ってくるのである。
この日も、HYはニュー・アルバムからいちはやく4曲の新曲を歌ってくれた。愛を感じる「散歩に行こう」と「未来」。新しい旅立ちの歌「0453」。そして環境問題をテーマにした「この子達のために」。どれも心に響く、あたたかい曲だった。
何かに導かれるように、偶然が偶然を呼び寄せる。沖縄にはそんな偶然のパワーがある気がしてならない。
なぜなら、D-51にしても、HYにしても、もしもあの日、あの場所に行っていなかったら、あと数分行くのが遅かったら…きっと“彼ら”に出逢っていないはずだから…。






