ドイツ編 その1
ドイツビールには、圧倒的な存在感がある。はるばると、ここまで来たんだと述懐させずにはおかない美酒だ。このビールのためなら、どこまでも行ってやるという気分になる。
ドイツ、特にバイエルン地方では、ビールはアルコール飲料ではないと聞いていた。
ビールは立派な食べ物であり、“飲むパン"であるそうだ。
だから、ビールを飲むのは飲酒ではない、という理屈なんだ、そうだ。
そんなわけで社会状況的にビールはアルコール飲料ではないとされる彼地で私は、シコタマ飲んだ。
まず名にし負うバンベルグBAMBERGである。バンベルグといえばまごうことなきラオホ・ビールである。
今回のドイツ旅行で一番飲みたかったのがこの、ラオホ・ビールだった。
旧市街のメッサーシュミット・ホテルに車とトランクを入れ、レグニッツ川に向かう。
バンベルグは中世の面影を残した古都だ。“小さなベニス"とも言われている。
丘の上にたつ4つの尖塔を持った大聖堂がライトアップされている。いい街だ。
いつまでもそぞろ歩きたい気分にさせずにはおかない。
人口7万余りのバンベルグには10もの醸造所があり、40種ものビールを作っているという。
待望のビール酒場シュルンケルラは、橋をわたって2つ目の道の右、だとホテルのフロントの立派な体格のフロイラインは言った。
シュルンケルラが飲ませるヘラー醸造のビールはモルトにした段階で燻製され、下面発酵で2カ月貯蔵される。殺菌はなされない。それゆえ燻製の香りが強く残り、ドライでこくのある風味が長く残るのだと言われている。
シュルンケルラに近づくと、疑いもない燻製の薫りが漂ってくる。
いつどこの酒場へいっても感じることだが、いい酒場は入った瞬間に解る。古今東西ピンとくるものがある。店側と客との和みの雰囲気。私向きの酒場という感じがヒシヒシと伝わってくるのである。シュルンケルラもその例外じゃなかった。
壁に張られたオークの鏡板。高い天井の黒く煤けたハリ。年齢の割に快活なウエイトレス。厨房から漂う、そそられる旨そうな濃厚な匂い。たちまち私はその場にひきこまれてしまった。
これもまた世界の酒場共通の入れ混みのテーブルと椅子。10人以上座れるテーブルに案内された。前客がいて、グリュース・ゴットと挨拶。ドイツ人男2女2である。
我々全員にビールが届く。乾杯。グビリ。旨い。
まさしく燻製だ。想像以上に強い香りだ。たちまち1杯が干される。しかし飲み飽きない個性だ。60歳以上と思われるウエイトレスのオバサンは普通5杯以上飲まないとこの味は解らないとものたまった。
よーし、やったろうじゃないかと思ったが、結局4杯で断念した。まあいい、明日もある。
とても我々の胃袋では食べ切れない分量の料理が届く。アイスヴァインはサッカーボール半分はあった。ソーセージは20センチ ものブツが4本あった。名物の蕪は切れ目のないグルグル巻の仕上げになっていて、たべる際に大いに盛り上がった。
バンベルグからは高速道路でレーゲンスブルグまで1時間。
レーゲンスブルクはやはりドナウ川に沿った麗しい古都だ。ローマ時代からの要衝として栄え、ドナウを渡る橋にその面影はあった。この石橋はドイツで最も古いとされている。その橋を作った際に飯場として開いたのが当初とされる、世界最古のソーセージ屋が今日の昼飯だ。ドームは改修工事中だったがその2つの尖塔は見えた。14世紀に建てられたゴシック建築であった。そのドームから川に向かって少し歩いたところに目指すソーセージ屋はあった。HISTORISCHE WURSTKUCHEと壁に書かれた小屋の煙突からはモクモクと煙りが盛大にあがっている。肝心の直火で炙られたソーセージはこぶりのものが10本以上、1皿にのっていた。名物に旨いものなしとはよくいわれるが、これは例外だった。そういえば海外では例外は多い。日本のみいわれることなのだろうかと自問せざるをえない。
それにしても大河ドナウを目の前に飲むビールは最高である。空は快晴である。ドイツ人には知られた観光地とはいえ、日本人はほとんど見かけない。
かれらはこうして何百年もまえから、ビールを飲み、ソーセージを食ってたのだ。それを思うととてもいいなーと思う反面、体がもたないだろうという気もしてくるが、私はとりあえず連日快食快便である。人生が毎日こうならいいという見本のような午後だった。
ビールはTHURN&TARISのピルスとダークの2種。どちらもあっさりしていて、ソーセージには最適のビールだった。
ビールは立派な食べ物であり、“飲むパン"であるそうだ。
だから、ビールを飲むのは飲酒ではない、という理屈なんだ、そうだ。
そんなわけで社会状況的にビールはアルコール飲料ではないとされる彼地で私は、シコタマ飲んだ。
まず名にし負うバンベルグBAMBERGである。バンベルグといえばまごうことなきラオホ・ビールである。
今回のドイツ旅行で一番飲みたかったのがこの、ラオホ・ビールだった。旧市街のメッサーシュミット・ホテルに車とトランクを入れ、レグニッツ川に向かう。
バンベルグは中世の面影を残した古都だ。“小さなベニス"とも言われている。
丘の上にたつ4つの尖塔を持った大聖堂がライトアップされている。いい街だ。
いつまでもそぞろ歩きたい気分にさせずにはおかない。
人口7万余りのバンベルグには10もの醸造所があり、40種ものビールを作っているという。
待望のビール酒場シュルンケルラは、橋をわたって2つ目の道の右、だとホテルのフロントの立派な体格のフロイラインは言った。
シュルンケルラが飲ませるヘラー醸造のビールはモルトにした段階で燻製され、下面発酵で2カ月貯蔵される。殺菌はなされない。それゆえ燻製の香りが強く残り、ドライでこくのある風味が長く残るのだと言われている。
シュルンケルラに近づくと、疑いもない燻製の薫りが漂ってくる。
いつどこの酒場へいっても感じることだが、いい酒場は入った瞬間に解る。古今東西ピンとくるものがある。店側と客との和みの雰囲気。私向きの酒場という感じがヒシヒシと伝わってくるのである。シュルンケルラもその例外じゃなかった。
壁に張られたオークの鏡板。高い天井の黒く煤けたハリ。年齢の割に快活なウエイトレス。厨房から漂う、そそられる旨そうな濃厚な匂い。たちまち私はその場にひきこまれてしまった。
これもまた世界の酒場共通の入れ混みのテーブルと椅子。10人以上座れるテーブルに案内された。前客がいて、グリュース・ゴットと挨拶。ドイツ人男2女2である。
我々全員にビールが届く。乾杯。グビリ。旨い。
まさしく燻製だ。想像以上に強い香りだ。たちまち1杯が干される。しかし飲み飽きない個性だ。60歳以上と思われるウエイトレスのオバサンは普通5杯以上飲まないとこの味は解らないとものたまった。
よーし、やったろうじゃないかと思ったが、結局4杯で断念した。まあいい、明日もある。
とても我々の胃袋では食べ切れない分量の料理が届く。アイスヴァインはサッカーボール半分はあった。ソーセージは20センチ ものブツが4本あった。名物の蕪は切れ目のないグルグル巻の仕上げになっていて、たべる際に大いに盛り上がった。
バンベルグからは高速道路でレーゲンスブルグまで1時間。

レーゲンスブルクはやはりドナウ川に沿った麗しい古都だ。ローマ時代からの要衝として栄え、ドナウを渡る橋にその面影はあった。この石橋はドイツで最も古いとされている。その橋を作った際に飯場として開いたのが当初とされる、世界最古のソーセージ屋が今日の昼飯だ。ドームは改修工事中だったがその2つの尖塔は見えた。14世紀に建てられたゴシック建築であった。そのドームから川に向かって少し歩いたところに目指すソーセージ屋はあった。HISTORISCHE WURSTKUCHEと壁に書かれた小屋の煙突からはモクモクと煙りが盛大にあがっている。肝心の直火で炙られたソーセージはこぶりのものが10本以上、1皿にのっていた。名物に旨いものなしとはよくいわれるが、これは例外だった。そういえば海外では例外は多い。日本のみいわれることなのだろうかと自問せざるをえない。
それにしても大河ドナウを目の前に飲むビールは最高である。空は快晴である。ドイツ人には知られた観光地とはいえ、日本人はほとんど見かけない。
かれらはこうして何百年もまえから、ビールを飲み、ソーセージを食ってたのだ。それを思うととてもいいなーと思う反面、体がもたないだろうという気もしてくるが、私はとりあえず連日快食快便である。人生が毎日こうならいいという見本のような午後だった。
ビールはTHURN&TARISのピルスとダークの2種。どちらもあっさりしていて、ソーセージには最適のビールだった。





