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2008/03/06

帝国ホテル東京

マグニチュード7.9の大地震に耐えた帝国ホテル。そのとき総支配人を勤めていた犬丸徹三は独自の判断で宿泊客の宿泊料を無料にし、食料も提供しました。各国の大使館、新聞社には特設の事務所を無償提供、そして帝国ホテルの目の前にある日比谷公園などに非難してきた一般市民を直ちにホテルに招き入れて食事を無料で提供しました。東京が燃え続けるなか冷静に社会奉仕に努めたのです。

「非常事態のとき、ホテルは公器に戻り、コミュニティのために奉仕する」

帝国ホテルは、ホテルが果たすべきこの使命を実践したのでした。

そうした数多くの歴史を作ったライト館ですが、残念ながら1967(昭和42)年に取り壊されてしまいました。跡地には近代的な高層ビルの新本館が建てられ今に至っています。広々とした一階ロビー、エントランスをくぐって右手にフロントデスク、二階にバンケットホール、地下にショッピングアーケードといったこの新本館のつくりは、この後に日本国中にできるシティホテルのスタンダードになり、いわば「ミニ帝国ホテル」が全国に誕生していきました。

帝国ホテルの理念に、次のようなことばがあります。

『変えてはならないものと、変えていかなくてはならないもの』

つまりは伝統と革新。変えてはならないものとは「スピリッツ」、そして変えていかなくてはならないものとは、時代やニーズに合わせたプロダクトです。

ところで、シンガポールを代表するホテルに「ラッフルズホテル」がありますが、ラッフルズホテルも十数年前に改築をしています。古い建物を取り壊し、そこに新しいホテルを建てたのですが、できあがったホテルは、前の建物と瓜二つ、近代化しただけで、同じ建築様式・デザインを踏襲し、同じ雰囲気を残したのでした。

伝統と文化を残していくということは、こういうことなのではないでしょうか。帝国ホテル・ライト館の復刻を切望しているのは、私だけではないでしょう。ライト館だって、帝国ホテルのスピリットであると言えなくもないと思うのです。






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