旅・宿・移住

2008/01/08

ダイクの娘だ。

当たり前だが、家は完成するまでは、私たちのモノではない。 家は完成して、住んで始めて私たちのモノになるのだ、と実感せざるを得なかった。

・・・・イチニチイッポ、ミッカデサンポ。
私としたことが(偉そうでスミマセン)演歌を歌っていた。水前寺某のあの歌だ。何だ、これ? どういう訳だ? 「イチニチイッポ」の歌詞が仕事中も頭から離れなかった。
「1日1歩、3日で3歩」。私はこれまでの人生でこうした演歌を愛唱したことはない。そもそも演歌もカラオケも嫌いだ。しかし、「1日1歩」は私の脳裏からも口元からも消えようとしなかった。
ヨシ、「1日1歩」でやってみるか。「1日1歩、3日で3歩。3歩進んで2歩下がる」
それでも、頭はいまひとつ働かなかった。自分で法律書を開いてみる気分にはまだなれなかった。友人の弁護士に相談した。弁護士曰く、急務はこうだ。
1 契約の解除。
2 敷地内への立ち入り禁止
3 次の工務店の検討

1については既に電話でも済ませたし、文書でも終わっていた。
そしたら、これにより損害賠償の道が開けるでしょうという(でも現実には倒産した会社からの賠償は難しいでしょうとも言った)。
2については次回美瑛に行った時に看板を建てるつもりだった。
法律的に言うとこうなる。前の工務店とは家屋新築の請負契約をしたが、倒産により、家は未完成にまま放置されている。したがって、その敷地に付随する建設途中の建物は土地の所有者に属することになるということだった。すなわち、契約の解除は終わっている。よって、ライフビルド関係者は私たちの敷地に立ち入りは出来ず、別の工務店に継続工事は問題なく委託できるということだった。
3は問題だった。こんな中途半端な工事を引継する業者なんて、はたしているのだろうか。しかも、美瑛は極寒の冬を迎える。誰だって出来るなら請負たくないだろう。

またしても、通勤のミニの中で私は「1日1歩」を繰り返した。
すでに私の持ち駒は尽きていた。この時点で工事の引継を依頼できる業者なんて全く考え付かなかったのだ。
数日後も帰宅のミニの中で、私はあいも変わらず無意識に、「1日1歩」と口ずさんでいた。その時天啓のように、あるシーンが頭に浮かんだ。その年の夏、妹の家族と富良野で夕食を食べたレストランでの会話だった。
「ヒロくん。ガールフレンド出来た?」
「え?、まー、いちおう」。口振りは照れているが自信タップリだ。
「猫より女の子のほうがいいだろ?」(妹の長男ヒロ君22才は、就職して上富良野町で一人暮らし。拾ってきた野良猫を飼っていた)
「大工の娘なんですよ」
・・・ ダイクのムスメ・・・
大工か。これだ。





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