箱根でしっとり情緒あふれる湯巡りを…(静岡県)
箱根といえば、東京からわずか2時間でたどり着くという絶好の温泉地である。当然のことながら、日帰り入浴施設も目白押し。でも、休日ともなると、どこもかしこも、人、人、人のオンパレード。「しっとり落ち着いた湯浴みを…」なんて気分にはなれません。じゃあ、どうすればいいのか…。実は、ちょっとひと捻りするだけで、しっとり落ち着いた温泉情緒も味わえるのです。さてさてその方法やいかに? 絶好の湯巡りコースをこっそり教えちゃいましょう。
当「温泉ぐるり旅」も、今回で早、10回目。残すところ、あと2回のみ。何とも早いものである。長野県地獄谷温泉からはじめて、岐阜県奥穂高温泉郷、群馬県宝川温泉、栃木県奥鬼怒温泉郷と、慌ただしく全国各地を飛び歩いてきたものだ。でも、よくよく考えてみれば、首都圏最大の温泉郷をひとつ紹介するのを忘れていた。言わずもがな、富士山の裾野に広がる箱根温泉郷である。車でも電車でも、東京からわずか2時間という絶好の行楽地をすっ飛ばしてしまうのは、やはり片手落ちというものだろう。という訳で、今回は箱根温泉郷が舞台である。箱根は至る所に温泉が湧き出ているところで、日帰り入浴施設も数多い。天山(1200円)や箱根の湯(1000円)、弘法の湯(950円)といった施設充実の日帰り入浴施設も数えきれないほど点在しているのだ。でも、休日ともなると、いずこの日帰り入浴施設も、人、人、人だらけ。まるで芋の子を洗うような込み具合だから、情緒も何もあったもんじゃない。
では、箱根ならではの情緒溢れる湯巡りを楽しむにはどうしたらいいか? 手っ取り早く言えば、老舗旅館のお風呂を立ち寄りで巡り歩けばいいのだ。ともあれ、箱根湯本を皮切りに芦ノ湖をぐるっと一周、1泊2日のロマンチック湯巡りツアーをスタートさせよう。
まずは、正月の箱根駅伝のコースでもある国道1号線を辿って、箱根七湯のひとつでもある箱根堂ヶ島温泉から湯巡りを開始したい。ここには、早川の渓谷沿いに2つの宿が並んでいるが、ともに宿へと向かう交通手段が面白いのでお見逃しなく。手前にある「晴遊閣大和屋ホテル」はロープウエイを、その奥にある「対星館花かじか」はケーブルカーを使って行くというのが何ともユニーク。特に「対星館花かじか」は、松本清張が昭和33年に発表した推理小説「蒼い描点」の舞台にもなった名旅館。早川に面した巨大な岩露天は残念ながら宿泊客のみ利用可ということなので、まずはここを宿泊拠点にして周辺の湯巡りをたっぷり楽しむというのがおすすめだ。立ち寄り入浴だけというなら、もうひとつの方の「晴遊閣大和屋ホテル」へ。入浴料2000円で、ロープウエイの送り向かい付きで渓谷沿いの秘湯を存分に満喫することができるのだから、結構お得というべきかも。





