穿き師トラさんの謎
【さて次回はいよいよ!・・・】
こんなやり方は、テレビ番組の常套手段だけど、
年末のプライドやらK1で、CMに入る前に
「今宵、花開くのか?一世一代の大勝負!!」
なんてナレーションとテロップがドッカーンと出ると、
よしっ、おしっこは次ぎのCMまで我慢しようと思ってしまう。
試合への緊張と下半身の緊張とで額に油汗を流しながらCMをやり過ごすと、
目当てではない試合が始まる。「ハメられた!」と思いながらも
ついついその試合を見て、次ぎのCMの直前、
「いよいよ大晦日最終ラウンド!!」とテロップが・・・・。
ぼくはお目当ての試合のゴングをトイレの中で聞く事になる。
じゃあ、ぼくはどうかって云われると。
この一週間、あんな事を書いてしまって、とても後悔していたのでした。
【穿き師トラさん登場】
ここ数年のジーンズは、ダメ−ジ加工、ユーズド加工が大流行りで、ヒゲビンビン、
縦落ちガンガンのジーンズが横行してる。しかもその加工技術は格段と進歩して、
それこそ、古着のジーンズと比べても遜色のない色落ちのものもある。
でも何かが違うんだよな〜。
こんな時、ぼくはトラさんの事を思い出す。あれは8年程前・・・。
トラさんはぼくの元上司で、ガサツで強引だけどとても仕事の出来る人で、
最初はぼくもこんな人になりたいと思い、後にこんな人にだけはなりたくないって
思うような人だった。
ある日ぼくはトラさんに頼まれてジーンズを一本見立てた。といってもジーンズに
興味のない人だから、ごく普通の国産のジーンズなんだけど。


そして半年後に会った時、ぼくは目を見張った。
あの時のジーンズがスゴイ色落ちをしてるのだ。
何でも、ポケットがほつれて近くのジーンズ店に補修を頼みに行ったら、
そこの店員に新品のジーンズと交換してくれってせがまれたらしい。
それこそぼくはジーンズの色落ちに躍起になっていた頃だったので、色落ちの
秘訣を聞いたのだけど、ただ『毎日穿いていただけや!』というばかり。
そんなやりとりの中ぼくはある事を思い付いた。
それは<トラさんにぼくのジーンズを穿いてもらう事>だ。
その頃のぼくは<ただのジーンズ好き>から<ジーンズバカ>に進化を
遂げつつあり、部屋の中には穿かれる事を今か今かと待っているジーンズが
山のようにあった。
普通一本のジーンズが納得するような色落ちになるにはそれだけを
穿き続けたとして、最低でも二年位はかかる。
手元にあるジーンズが40本だとして、単純計算で80年かかってしまう。
小学生の時にかけ算を習ったおかげで、かろうじてぼくは今おかれている立場に
気が付いたのだ。 良かった。
でも現実問題として、今あるジーンズだけでも、いやこのジ−ンズ達の為にも
ぼくは 100歳以上生きなければいけない。でもそれは無理だよね。
だから、「トラさんにジーンズを穿いてもらおう!」
ぼくの目論みと「タダで穿けるのなら」というトラさんとの利害関係は見事に一致し
二本のジーンズは旅立った。
ぼくは里子に出すような気持ちで二本のジーンズを見送ったのだ。
「手紙書くから・・」
10ヶ月後「もうボロボロだぞ!」という電話とともに宅配便でジーンズは戻って来た。
ぼくの元に戻って来た二本のジーンズは「トラさんにやられちゃいました。」
とぼくに囁いた。 そう!ぼくはジーンズと会話ができるのだ。でもこんな事を書くと
救急車がお迎えにくるかもしれないので、そんな気がしたという事にしておこう。
とにかくもう立派な老人なのだ。(ブログ第2稿参照)しかも、とても自然な色落ちなんだ。
ぼくのジーンズはわざとヒゲを作ったり、腿の部分をゴシゴシ擦ったり、
何となく作意的な色落ちになるのに、そんな所が見当たらない。
嫌味がないっていうか・・・。
ぼくは思った「穿き師だ!!」って。
もし世の中にジーンズを穿いて、色落ちをさせる「穿き師」なる職業が存在してたと
すれば、間違い無くトラさんは、その道の大家と成り得ただろう。
そんな事をトラさんに話したら、「お前、バカだなア」なんて言いながらも、
トラさんは嬉しそうだった。 ぼくも何だか嬉しかった。
しかし、何故たったの10ヶ月で、いや二本だったから、一本あたり5ヶ月で
こんなにクタクタになるのか、今だに謎なんだ。
トラさんはただ、『毎日穿いたいただけや』というばかり。
これだからジーンズはやめられない。
よしっ、おしっこは次ぎのCMまで我慢しようと思ってしまう。
試合への緊張と下半身の緊張とで額に油汗を流しながらCMをやり過ごすと、
目当てではない試合が始まる。「ハメられた!」と思いながらも
ついついその試合を見て、次ぎのCMの直前、
「いよいよ大晦日最終ラウンド!!」とテロップが・・・・。
ぼくはお目当ての試合のゴングをトイレの中で聞く事になる。
じゃあ、ぼくはどうかって云われると。
この一週間、あんな事を書いてしまって、とても後悔していたのでした。
【穿き師トラさん登場】
ここ数年のジーンズは、ダメ−ジ加工、ユーズド加工が大流行りで、ヒゲビンビン、
縦落ちガンガンのジーンズが横行してる。しかもその加工技術は格段と進歩して、
それこそ、古着のジーンズと比べても遜色のない色落ちのものもある。
でも何かが違うんだよな〜。
こんな時、ぼくはトラさんの事を思い出す。あれは8年程前・・・。
トラさんはぼくの元上司で、ガサツで強引だけどとても仕事の出来る人で、
最初はぼくもこんな人になりたいと思い、後にこんな人にだけはなりたくないって
思うような人だった。
ある日ぼくはトラさんに頼まれてジーンズを一本見立てた。といってもジーンズに
興味のない人だから、ごく普通の国産のジーンズなんだけど。


そして半年後に会った時、ぼくは目を見張った。
あの時のジーンズがスゴイ色落ちをしてるのだ。
何でも、ポケットがほつれて近くのジーンズ店に補修を頼みに行ったら、
そこの店員に新品のジーンズと交換してくれってせがまれたらしい。
それこそぼくはジーンズの色落ちに躍起になっていた頃だったので、色落ちの
秘訣を聞いたのだけど、ただ『毎日穿いていただけや!』というばかり。
そんなやりとりの中ぼくはある事を思い付いた。
それは<トラさんにぼくのジーンズを穿いてもらう事>だ。
その頃のぼくは<ただのジーンズ好き>から<ジーンズバカ>に進化を
遂げつつあり、部屋の中には穿かれる事を今か今かと待っているジーンズが
山のようにあった。
普通一本のジーンズが納得するような色落ちになるにはそれだけを
穿き続けたとして、最低でも二年位はかかる。
手元にあるジーンズが40本だとして、単純計算で80年かかってしまう。
小学生の時にかけ算を習ったおかげで、かろうじてぼくは今おかれている立場に
気が付いたのだ。 良かった。
でも現実問題として、今あるジーンズだけでも、いやこのジ−ンズ達の為にも
ぼくは 100歳以上生きなければいけない。でもそれは無理だよね。
だから、「トラさんにジーンズを穿いてもらおう!」
ぼくの目論みと「タダで穿けるのなら」というトラさんとの利害関係は見事に一致し
二本のジーンズは旅立った。
ぼくは里子に出すような気持ちで二本のジーンズを見送ったのだ。
「手紙書くから・・」
10ヶ月後「もうボロボロだぞ!」という電話とともに宅配便でジーンズは戻って来た。
ぼくの元に戻って来た二本のジーンズは「トラさんにやられちゃいました。」
とぼくに囁いた。 そう!ぼくはジーンズと会話ができるのだ。でもこんな事を書くと
救急車がお迎えにくるかもしれないので、そんな気がしたという事にしておこう。
とにかくもう立派な老人なのだ。(ブログ第2稿参照)しかも、とても自然な色落ちなんだ。
ぼくのジーンズはわざとヒゲを作ったり、腿の部分をゴシゴシ擦ったり、
何となく作意的な色落ちになるのに、そんな所が見当たらない。
嫌味がないっていうか・・・。
ぼくは思った「穿き師だ!!」って。
もし世の中にジーンズを穿いて、色落ちをさせる「穿き師」なる職業が存在してたと
すれば、間違い無くトラさんは、その道の大家と成り得ただろう。
そんな事をトラさんに話したら、「お前、バカだなア」なんて言いながらも、
トラさんは嬉しそうだった。 ぼくも何だか嬉しかった。
しかし、何故たったの10ヶ月で、いや二本だったから、一本あたり5ヶ月で
こんなにクタクタになるのか、今だに謎なんだ。
トラさんはただ、『毎日穿いたいただけや』というばかり。
これだからジーンズはやめられない。





