オトコの定番

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2007/04/05

501のデティール3

    【耳違い?】
子供の頃、ぼくはパンが大好きだった。
日曜の朝はジャムとマーガリンのトーストが定番だった。
たまにおかんが「今日は練乳よ」なんて言うと狂喜して

パンの生地が見えなくなる位練乳をかけては怒られてた。
更にもうひとつ、怒られる事があった。パンの耳が嫌いだったのだ。
特に焼いた食パンの耳は固くて苦手だったのだ。耳を残す度に「もったいない」って
叱られた。 そんな僕ぼくも大人になって耳が大好きになったんだ。
     
    【赤耳=セルビッチ】
501のアウトシーム(外側ね)の裏側を見てみると紺のデニム地が白になり、
白地の中に赤のステッチが縫い込んである。これを<セルビッチ>と云い
また<赤耳>とも呼ばれている。   
何故赤耳付の501になったか?。 当時は旧式の力織機では90cm位?の狭い
原反しか織れず、その狭い中でなるべく生地の有効取りをしていたんだ。
それは一番生地を多く使う部分を両端にレイアウトし、内側にポケットやバックヨークの部分をレイアウトして裁断する事なんだけど、それによって原反の両端にあるほつれ止め?の為の赤耳部分がアウトシームに存在する事になったんだ。

旧式の力織機は1980年始めに廃止され、以降は180cm位の幅の生地が高速で織れる織機に変わる事になるんだけど、それによって、もう生地を端まで有効取りをする事が無くなってしまい、赤耳は姿を消す。
写真上の裾部分は50年代の501xx 、下は現行の501.。現行の方は切りっぱなしの生地になるから、オレンジの糸でロックされている。これを脇割りって云うんだ。
当然の事ながら、脇割りに比べて赤耳の501の方が価値が有るって事で古着屋での相場も高いんだ。

「別に裏側のみえない所だからどーでもいいじゃん!」と思っている貴方。
おめでとう。貴方は極めて正常な考えを持った人です。このまま正しい人生を
歩んで下さい。 でもぼくはダメだ。すっかり赤耳にやられてしまって、
赤耳無しの人生なんか考えられない。
それにしても、昔の人は物を節約してたんだね。
「耳を使わないなんてもっいたない。」

45才になったぼくはもちろんパンの耳を残さずに食べてます。
     

     【リベットそしてオマケの鼻くそ】
リーバイスを世に知らしめる事になった最大の要因、それはリベットで補強された、
丈夫な作業着だって事だと思う。
リベットはフロントポケットの両サイド、コンンポケットの両サイド、バックポケットの
サイドの合計十個存在している。
だけど、第二時大戦前にはもう一個あったんだ。
それはどこかというと、股の付け根。右の写真ね。  
生地の重ねが多い部分だし、立ったりしゃがんだりする度に負荷のかかる部分だよね。 ところがある事件の為に股間のリベットは廃止されてしまったんだ。 
それは当時のリ−バイス社の重役(社長だったっけ?)が焚き火にあたってて、そこで立ちションをしたんだ。そしたら焚き火で熱くなってたリベットに
重役の大事な部分があたって火傷をしたんだ。それで、即刻廃止って事になった
らしい。

冗談のような話しだけど、色々なリ−バイス関連の雑誌に書いてあったのだから
事実だろう。股間にリベットの付いた501を持っているぼくも早速試してみた。
(勿論焚き火無しでね)
そころが・・・・残念ながらぼくのは届かなかった・・・・・・アメリカ人恐るべし。
でもいいもんね、ぼくはこのジーンズで心行くまで焚き火を楽しめるもんね。  
良かった。
(品位が無いって嘆かないで欲しい。 これも立派な501の検証なのだから。)

写真上の段はバックポケット裏のリベット。左は第二時大戦前の頃のリベット。
これは写真下の段のフロント、コインポケットの裏のリベットと同じだよね。
真中の写真は大戦後の頃のリベット。  左はリベットが廃止されカンヌキで補強された60年代以降の501。 何故リベットが廃止されたかいうとこれも生産行程の簡略化の為なんだろうな。
だってバックポケットの付け方って面倒なんだよ。 
先ずバックポケットの位置に表からポケット地を裏返しにしたままでリベットを打つ。
そしてポケット地を折り返してリベットを隠して縫ってるんだ。
これも文章じゃあ分かりずらいだろうなぁ。裏にはリベットがあるのに、表にはリベットが見えない。      これを専門用語で隠しリベットと云う。
ちなみに最初期の501のバックポケットはフロントのリベット同様、表からリベットを
打っているんだけど、馬の鞍を傷つける等で廃止になったんだ。

とにかくリベットが命のリーバイスとしては何としてもバックポケットからリベットを取る事を考えずに隠しリベットをあみだしたんだろう。
写真下の真中は表側のリベット。これはすぐ分かるよね。ちなみに全てのリベット同じなんだけど<LS & CO SF>の刻印がある。
これは<リーバイス(株)サンフランシスコ>を意味している。

最後に右下の写真。前々回鼻くそ皮パッチの話しをしたけど、ぼくのリーバイス
ジャケットにも鼻くそが付いているのを思い出して載せてみた。
どうですか?これぞ皮パッチの証!!  
確か購入した頃は5個位へばり付いてたと思うけど。ついに最後のひと粒になって
しまった。
ぼくはオ−・ヘンリ−作<The Last Leaf>を思い出さずにはいられない。

さて、 3回にわたっての501のディテールはとりあえずこれでお終い。
「端折りやがって!このやろー」とマニアの声が聞こえてきそうだけど一言
言わせて欲しい

「ごめんなさい」         さて次回はいよいよ!・・・         





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