オトコの定番

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2007/07/18

やさしいパパが大好きなママに買った万年筆の秘密「アウロラ・オプティマ」

 ミホチャンへ
 約束どおり、今から、ミホチャンがまだ小さかった頃の、君のパパとママの話を書きます。
 初めのうちは万年筆のことを書きます。ミホチャンのパパとママが登場するのは後半になってからです。

 AURORA。
 「オーロラ」と呼ぶ人も昔はいたけど、「アウロラ」と読みます。

 アウロラはイタリア最古の万年筆メーカーです。
 ニューヨーク近代美術館には“新しい時代の万年筆”として「アウロラ・アスティラ」という万年筆が永久保存展示されています。すごいメーカーなんだよ。

 アウロラで作っている最も代表的なモデルといえば、「アウロラ88」です。今から15年ほど前に、初めて「アウロラ88」のペン先の形状を見たとき、あまりの美しい形状に、オジサンは惚れ惚れとしてしまいました。地面から空へと一気に吹き上がる間欠泉のように、ペン先の穂先がどこまでも長く細く伸びていて、ふつうに筆圧をかけても大丈夫なのだろうかと、心配になったほどです。



 「アウロラ88」の少し後に登場したのが、「アウロラ・オプティマ」でした。ミホチャンのママが持っている万年筆です。

 この万年筆にまいってしまいました。オジサンは万年筆を何本も持っているのですが、ひと目見て、いいなぁとほしくなってしまったのです。マーブル模様の色合いと、きらっと光るきらめきが、おだやかで、しっとりとしたなつかしさを醸し出していたからなのです。







 「アウロラ・オプティマ」には、色違いが4種類用意されていました。ミホチャンのママが持っているのは、エメラルド・グリーンです。他に、コバルト・ブルー、スモーク・グレー、アンバー・ブラウンがありました。エメラルド・グリーンは、他の3本に比べて、緑と青の混ざり方が美しく、映えて見えたものです。

 最近の「アウロラ・オプティマ・シリーズ」は、鮮やかで、非常に人目を惹く色合いが特徴です。ミホチャンのママが買った1992年に発売された頃の「アウロラ・オプティマ」はすこし地味な色合いでしたが、大人っぽくて、古風な感じに満ち溢れていたので、とても目立っていました。

 文字を書くペン先は、「アウロラ88」のペン先とは異なっていて、とてもシンプルなデザインをしていました。開いた口のようなサークルの中に「AURORA ITALIY」と入っているだけ。その下に小さく「14K」と刻印されていました。「アウロラ88」のように “しっかりとたわむ書き味”ではありませんが“実直で安心感あふれる優しい書き味”にオジサンはとても好感を持ちました。

 青緑色の美しい万年筆「アウロラ・オプティマ・エメラルド・グリーン」はどうやってミホチャンの家にやってきたのでしょうか。

 ミホチャンのパパにはどうしてもほしい万年筆があって、パパは、ママと、ミサキお姉チャンと、ミホチャンを連れて、神田神保町の金ペン堂という万年筆の専門店に向かったのでした。その頃、まだ、君の大好きな弟ダイチ君は生まれていませんでした。

 その日は、オジサンも、マアチャンとマアチャンのママを連れていきました。万年筆を買った後に、みんなでおいしいものを食べに行く約束をしていたのです。





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