金のトレド。銀のトレド。赤のトレド。
「『ビッグトレド』って3種類あるゾ。金色の『ビッグトレド』と、銀色の『シルバービッグトレド』と、赤い『シルバービッグトレド』だ。」
「赤いのはネットで見たよ。国内120本限定だっていう話だけど、俺には、赤は似合わないから。目立っちゃうし…」
「そう? あれはあれで、なかなかいいぞ」
昨年、ワンタイムエディション(一回こっきりの生産品)ということで、赤い『シルバービッグトレド』(M910)が、日本国内のみ120本限定で発売されたのだが、もともとの『シルバービッグトレド』(M910)が中古市場で人気を再燃させるきっかけとなったようだ。
「ペン先が、金とロジウムの2トーンであることを考慮すると、やっぱり元祖『ビッグトレド』にしようかな」
「いいんじゃないか。ただ、トレド彫刻の意匠が違うからね。ペリカンの表情が違うんだ」
「お前、2本とも持ってるんだろ。実物を見せてくんないかな」
「仕方ない」
年の瀬の押しせまった、ある日の午後、新宿で落ち合って、2本のトレドを見せた。
「『シルバービッグトレド』のほうが、渋いなぁ。ペン先がロジウムメッキして銀色1色になってれば、速攻、『シルバービッグトレド』にするんだが」
「『ペリカン・ガウディー』っていう限定品は銀色1色のニブなんだけどね。残念だ」
「この『シルバービッグトレド』は、でももう手に入らないんだろ?」
「ああ。ネットオークションで探すしかないな」
「そうか、じゃ、『ビッグトレド』だなぁ」
「ペン先の太さはどうすんだ?」
「一度でいいから“3B(極極太字)”を使ってみたかったんだ。お前から毎年送られてくる年賀状に憧れてた…」
「太すぎても、出番が少なくなるぞ」
「金ペン堂のトレドは、表が3Bで、裏がBくらいになってるって言ってたなぁ。それがいいかなぁって思ってる」
その日は、それで別れたのだった。
友人から年賀状が届いた。届いたのは1月15日の火曜日。
宛名は、万年筆による手書きでなく、印字してあった。
そして裏面にボールペンでこう書き記されていた。
「同じトレドなら、1931トレドほうがいいなと思って今回はやめにした。それでモーリシャスに行ってました。藤原紀香と陣内智則を見たよ」
誰かと行ったんだろうけれど、それは確かめていない。
プラズマテレビが万年筆になり、万年筆がモーリシャス旅行へと変わってしまった。うらやましいなぁ。あぁ、今年は旅に出たい!
「赤いのはネットで見たよ。国内120本限定だっていう話だけど、俺には、赤は似合わないから。目立っちゃうし…」
「そう? あれはあれで、なかなかいいぞ」
昨年、ワンタイムエディション(一回こっきりの生産品)ということで、赤い『シルバービッグトレド』(M910)が、日本国内のみ120本限定で発売されたのだが、もともとの『シルバービッグトレド』(M910)が中古市場で人気を再燃させるきっかけとなったようだ。
「ペン先が、金とロジウムの2トーンであることを考慮すると、やっぱり元祖『ビッグトレド』にしようかな」「いいんじゃないか。ただ、トレド彫刻の意匠が違うからね。ペリカンの表情が違うんだ」
「お前、2本とも持ってるんだろ。実物を見せてくんないかな」
「仕方ない」
年の瀬の押しせまった、ある日の午後、新宿で落ち合って、2本のトレドを見せた。「『シルバービッグトレド』のほうが、渋いなぁ。ペン先がロジウムメッキして銀色1色になってれば、速攻、『シルバービッグトレド』にするんだが」
「『ペリカン・ガウディー』っていう限定品は銀色1色のニブなんだけどね。残念だ」
「この『シルバービッグトレド』は、でももう手に入らないんだろ?」
「ああ。ネットオークションで探すしかないな」
「そうか、じゃ、『ビッグトレド』だなぁ」
「ペン先の太さはどうすんだ?」
「一度でいいから“3B(極極太字)”を使ってみたかったんだ。お前から毎年送られてくる年賀状に憧れてた…」
「太すぎても、出番が少なくなるぞ」
「金ペン堂のトレドは、表が3Bで、裏がBくらいになってるって言ってたなぁ。それがいいかなぁって思ってる」
その日は、それで別れたのだった。
友人から年賀状が届いた。届いたのは1月15日の火曜日。
宛名は、万年筆による手書きでなく、印字してあった。
そして裏面にボールペンでこう書き記されていた。
「同じトレドなら、1931トレドほうがいいなと思って今回はやめにした。それでモーリシャスに行ってました。藤原紀香と陣内智則を見たよ」
誰かと行ったんだろうけれど、それは確かめていない。
プラズマテレビが万年筆になり、万年筆がモーリシャス旅行へと変わってしまった。うらやましいなぁ。あぁ、今年は旅に出たい!





