オトコの定番

Column Title : 

2008/10/09

書籍「文房具を楽しく使う」

今回は(恐れ入りますが)以前に私が書いた本についてのお話です。

このたび本コラムが、しばしの間「ゼブラスタイル」さんにも配信されるとのことで、それならば自己紹介の代わりにと思い、本日のお話をさせてください。

その本とは「文房具を楽しく使う(ノート・手帳篇)」と「文房具を楽しく使う(筆記具篇)」(いずれも早川書房刊)の二冊です。

書籍「文房具を楽しく使う」(早川書房)

最初の「ノート・手帳篇」は2004年の夏に出しましたので、すでに四年以上経っていますが、現在でもなお、読者さんからご感想をいただく事があります、(感謝)。

本書のメインテーマはタイトルのとおり「どうやったら文房具を楽しく使うことができるか」であります。たとえそのものに興味が無くても、世の中のほとんどの人が文房具を使っています。人によっては単なる日用品でしかない文房具に、いったいどのような魅力があるのか、そして使うこと自体に楽しさを見いだしてもらえるか、これら二点をお伝えするため、考えに考えて、いくつかのストーリーを織り込みました。

その頃すでに「手帳術」系の、手帳と仕事を結びつけて解説する本はいくつも出ていましたし、雑誌ではバイヤーズガイドとしての文房具の特集記事が繰り返し組まれていたと思います。しかし前者は、手帳がビジネスにおける成功への手段として捉えられていることが多く、後者はメーカーや流通・小売店からの情報の紹介が主軸となっています。私から見ますと、文房具はカタチや機能だけではなく、色や手触り、ときに匂い、そしてそれらを包含した組み合わせの良し悪しなど数えきれないくらいの評価軸があって、さらに人によって各要素への重点の置き方はまちまちで、もっと深ーい世界ではないか?との思いがありました。それで、こうしたごちゃごちゃした面倒な部分を初心者のかたにも分っていただけるようにしたいと考えたのです。

熟考の結果実行したのは「教科書的な手法」でした。タイトルでは「楽しく使う」と言っておきながら、中ではノートの定義や分類を慎重に進め、最終的には複数のノートをシステマティックに組み合わせる方法を説いてみたのです。そこで採用し、のちに多くのかたから評価をいただいた「多ノート派」や「手帳&ノート構成」(※1)といった用語によって、文房具を使うに当たっての「上流」となる所をお伝えすることができたのではないかと考えています。つまり、後から付いてくる小ワザ(いわゆるtipsやhack)よりも、ノートや手帳そのもの見かたを知ってもらおうとしたわけです。上流が明らかになれば、以降はユーザー自身で応用が可能なはず。使い手の創造力次第で楽しさが生まれることをめざしました。

(※1:翌年にはエイ出版社のムック「机上空間」の、私が担当させていただいた特集記事にて、「手帳やノートを構築する」という言い回しも追加。)

いっぽうの筆記具篇はだいぶ方向性を変えてみました。本書については当時、とあるブログで「誰のために書かれているのか分からない」と指摘されました。じつはまったくそのとおりで、基本的に読者に向けて書いてはいましたが、多分にメーカーへのメッセージを含ませていたのです。ノート篇も筆記具篇も二冊とも、ひとりのユーザーの立場から書くことを徹底しました。事前にメーカーからの協力を得ることもしませんでした。それで、「文房具をこんなふうに見ている人間もいるのですよ!」とお知らせをしたつもりでいました。いま思えば力み過ぎで恥ずかしいのですが、この二冊が文房具の作り手側の人たちにも少しは読んでいただけたのだろうかと、今でも気にはなっています。





この記事のトラックバックURL:

特集

何も足さない究極の「原音」に触れる 「知名御多出横」
会員登録プレゼント

新着こだわりコラム

自転車に夢中

2008/11/21 自転車に夢中 ピストでゆ…

大人の男のためのオペラ入門塾

2008/11/21 大人の男のた… 指揮者につ…

ほろ酔い蕎麦屋めぐり

2008/11/20 ほろ酔い蕎麦… 福岡で出会…

文房具に寄す

2008/11/20 文房具に寄す 文房具を撮る

野外はドコデモ隠れ家だ

2008/11/20 野外はドコデ… グルメは歩…