文房具界隈の移ろい(後編)
今回はいよいよ「文房具界隈の移ろい」後編です。インターネット普及以降のお話を交えて、考えてまいります。
と、その前に、ひとつ大切な事をお伝えしなければなりませんでした。1980年代の後半に「発生」した「システム手帳ブーム」のお話です。リフィルと呼ばれる6つの穴が空いた用紙をリング状の金具で綴じた「システム手帳」を、かつてたいへん多くの人が使い始めた時期がありました。今から20年ほど前のことです。もちろん私も、システム手帳を何冊も買ったものです。
このブームに大きな役割を果たしたのは、ノンフィクション作家・山根一眞さんの著書「スーパー手帳の仕事術」だったと記憶しています(その前後に出された、情報管理や手帳関連を取り上げた書籍や雑誌類の影響もあります)。都内の大型文具店や百貨店に並んだ高価なシステム手帳は、ひごろ数百円の商品が中心であった文房具店にとって、少なくはない売り上げを生んだはずです。この「事件」とも言える流行によってシステム手帳は日本に定着し、以降現在に至るまで、その流れは続いています。
いまふり返ってみますと、このブームは、(本当のところは分かりませんが)メーカーによる宣伝や小売店規模の企画がコトの発端ではなく、書籍やメディアに共感したユーザーによってもたらされ、広がっていった点が特徴的でした。そもそも、山根氏ご自身が「スーパーユーザー」であった事も重要です。たちまち増え始めたユーザー側からの力強い「引き」に、メーカーや小売店が追いかけ、応えていた印象が私にはあります。これは、まだインターネットが無かった時代に、ユーザーのパワーによってモノが売られていった、文房具にとっては珍しく、また記憶すべき事象だったと思います。
さて、本題に戻りましょう。
1990年代の後半、日本も本格的なインターネットの時代になってまいりました。その頃のインターネット関連は、ざっくりと言ってしまえば米国からの情報がお手本でした。文房具についても例外ではなく、テーマごとに上手にまとめられた筆記具やステープラー等のウェブサイトが早い時期に、あちらの国には登場していました。しかし間もなくのうちに、日本でも文房具をテーマにした、個人制作によるページがいくつも現れてまいります。これら日本の文房具関連サイトを見てまわると、その質は高く情報量も豊かで、早々に米国のレベルに追いついたように感じます。それだけ日本のユーザーは、文房具への思いが深かったと言っても間違えではなさそうです。
このブームに大きな役割を果たしたのは、ノンフィクション作家・山根一眞さんの著書「スーパー手帳の仕事術」だったと記憶しています(その前後に出された、情報管理や手帳関連を取り上げた書籍や雑誌類の影響もあります)。都内の大型文具店や百貨店に並んだ高価なシステム手帳は、ひごろ数百円の商品が中心であった文房具店にとって、少なくはない売り上げを生んだはずです。この「事件」とも言える流行によってシステム手帳は日本に定着し、以降現在に至るまで、その流れは続いています。
ブームの頃に買ったシステム手帳
(だいぶ使い込んでいます。)
さて、本題に戻りましょう。
1990年代の後半、日本も本格的なインターネットの時代になってまいりました。その頃のインターネット関連は、ざっくりと言ってしまえば米国からの情報がお手本でした。文房具についても例外ではなく、テーマごとに上手にまとめられた筆記具やステープラー等のウェブサイトが早い時期に、あちらの国には登場していました。しかし間もなくのうちに、日本でも文房具をテーマにした、個人制作によるページがいくつも現れてまいります。これら日本の文房具関連サイトを見てまわると、その質は高く情報量も豊かで、早々に米国のレベルに追いついたように感じます。それだけ日本のユーザーは、文房具への思いが深かったと言っても間違えではなさそうです。





