文房具界隈の移ろい(前編)
「文房具に寄す」三回目となりました。まずはベーシックな部分のお話をさせていただくということで、しばらくお付き合いください。
基本的に文房具のコトしか見ていない私ですが、おかげで、ここ四十年ほどの文房具界隈の変遷が、一本につながって記憶に残っています。
私が小学生の頃、ちょうど1970年代は、日本の経済成長と人口増が重なって、役所や会社あるいは学校に納入する文房具が大量に流れていた時期なのでしょう。日本の文房具メーカーの多くが、会社の規模の大小に関わらず元気だったようです。
シャープペンシルひとつとっても、多彩な素材やカタチ・アイディアが盛り込まれた製品が、追いかけきれないほど登場していました。コレクションの趣味が無い自分なのに、シャープペンシルだけでもたいへんな数を買い集めてしまい、深く反省したのを思い出します。
ところで、同じ時期において思い出深いのは、素材研究をうたうメーカーがいくつも存在していたことです。書き味が滑らかで強じんなシャープペンシル替芯、新しいボールペンのためのインク開発など、基礎をしっかり固めていたという印象です。

その後1980年代に入ってゆくと、世の中の景気はピークとなりますが、日本のメーカーの多くは、筆記具でもノートでも、高品質で低価格という方向に向かって突き進んでいったように思います。いっぽう、小売店に目を向けてみますと、1970年前後は前述の動向から、地元の文房具店さんがとても元気な時代でした。お店の品揃えも、用途を満たすという観点からすれば、すでに十分なものだったと思います。
しかし同じころ、私たちよりも上の世代の方々が志向した、欧米文化とそのモノたちが、メディアや流通(輸入商社)を介して大量に日本に流れ込む、大きな動きが始まっていたのです。為替のレートも後押しをしていました。早い時期ではソニープラザ(当時)が。そして、それを追うように都内各地に大小の輸入雑貨店が出来始めます。こうした動きを早くに取り入れた百貨店も出てきました。個人的には、池袋の西武百貨店へ、海外製の文房具や生活雑貨を目当てに何度も通ったおぼえがあります。スタートして間もない頃のロフトも、海外製品が売り場展開の大事な役割を果たしていました。
当時の輸入をリードしてこられた元バイヤーの方にお話をうかがったところ、「海外の『カッコイイ』を片っ端から持ってきたよ。」と、プライドとなつかしさの気持ちを交えて私に語ってくださいました。こうして、海外から大量の製品が次々にやってくる状況によって、「趣味の物、面白い物は海外から」といった気持ちを持たれたかたも多いのではないかと思います。
加えて、東急ハンズのような趣味にフォーカスをした大型店舗の進出、テーマやテイストをさらに明確にした雑貨店が生まれるに至って、文房具は「近くで買うもの」から「遠くへ探しにゆくもの」へと、(少なくとも私は)買い物の習慣が変わってゆきました。
私が小学生の頃、ちょうど1970年代は、日本の経済成長と人口増が重なって、役所や会社あるいは学校に納入する文房具が大量に流れていた時期なのでしょう。日本の文房具メーカーの多くが、会社の規模の大小に関わらず元気だったようです。
シャープペンシルひとつとっても、多彩な素材やカタチ・アイディアが盛り込まれた製品が、追いかけきれないほど登場していました。コレクションの趣味が無い自分なのに、シャープペンシルだけでもたいへんな数を買い集めてしまい、深く反省したのを思い出します。
ところで、同じ時期において思い出深いのは、素材研究をうたうメーカーがいくつも存在していたことです。書き味が滑らかで強じんなシャープペンシル替芯、新しいボールペンのためのインク開発など、基礎をしっかり固めていたという印象です。

私が思う「黄金時代」のシャープペンシルのひとつ(三菱鉛筆製・絶版品)
内部含め、オール金属パーツ。アルミボディには細かい加工も施されている
内部含め、オール金属パーツ。アルミボディには細かい加工も施されている
その後1980年代に入ってゆくと、世の中の景気はピークとなりますが、日本のメーカーの多くは、筆記具でもノートでも、高品質で低価格という方向に向かって突き進んでいったように思います。いっぽう、小売店に目を向けてみますと、1970年前後は前述の動向から、地元の文房具店さんがとても元気な時代でした。お店の品揃えも、用途を満たすという観点からすれば、すでに十分なものだったと思います。
しかし同じころ、私たちよりも上の世代の方々が志向した、欧米文化とそのモノたちが、メディアや流通(輸入商社)を介して大量に日本に流れ込む、大きな動きが始まっていたのです。為替のレートも後押しをしていました。早い時期ではソニープラザ(当時)が。そして、それを追うように都内各地に大小の輸入雑貨店が出来始めます。こうした動きを早くに取り入れた百貨店も出てきました。個人的には、池袋の西武百貨店へ、海外製の文房具や生活雑貨を目当てに何度も通ったおぼえがあります。スタートして間もない頃のロフトも、海外製品が売り場展開の大事な役割を果たしていました。
当時の輸入をリードしてこられた元バイヤーの方にお話をうかがったところ、「海外の『カッコイイ』を片っ端から持ってきたよ。」と、プライドとなつかしさの気持ちを交えて私に語ってくださいました。こうして、海外から大量の製品が次々にやってくる状況によって、「趣味の物、面白い物は海外から」といった気持ちを持たれたかたも多いのではないかと思います。
加えて、東急ハンズのような趣味にフォーカスをした大型店舗の進出、テーマやテイストをさらに明確にした雑貨店が生まれるに至って、文房具は「近くで買うもの」から「遠くへ探しにゆくもの」へと、(少なくとも私は)買い物の習慣が変わってゆきました。









