変わらない定番、機能美を極めたナビタイマー
ちなみに、私のナビタイマーは、見ての通り、かなりの年代モノです。現行品よりやや小さめで、鈍いゴールドの輝きに味わいがあります。12時の下にある翼を広げたマーク、実はブライトリングのマークではありません。航空機のオーナーやパイロット達の国際的な協会AOPAの公認マークなのです。現代の高性能モデルを選ばなかった理由、それはオリジナルデザインと手巻き式へのこだわりです。些細なことかもしれませんが、80年代にリメイクされた当初のオールドナビタイマーは、ムーブメントの制約で積算メーターが縦に配置されていて、ドーム型のガラスとフラットな文字盤が発する独特な雰囲気も失われてしまっていたからです。
たしかに、50年前の時計は性能面では遥かにおよびません。誤差も一日1分程度は普通です。現在、クロノメトリーと呼ばれる最新鋭の工場では、世界最大のムーブメントサプライヤーETA社のムーブメントがモディファイされ、注油の一部はオートメーション化もされています。すべてのモデルは、一日の誤差が-4秒〜+6秒というクロノメーター基準を満たし、自動巻きなので毎日使っている分にはいちいち手でゼンマイを巻く必要はありません。
ただ、こちらの古い腕時計には、クラシックカメラと同じように使う愉しみがあります。毎朝ゼンマイを巻くのは面倒なようですが、お気に入りの腕時計の世話をするのは意外に楽しいものなのです。リューズでジーコジーコと巻く時、ゼンマイのやわらかい反発力を指先に感じながら、コハゼ(ゼンマイがほどけるのを防ぐラチェット)が当たるチキチキっというクリック感も心地良いのです。
スイスの最高級マニュファクチャラー、パテック・フィリップはこの巻上げ感を大事にしていて、品質の管理項目にも含まれているぐらいなのです。
ブライトリングの先進ラインには、絶大な人気を誇るクロノマットがあります。その脇で、ブランドの伝統スタイルを継承するナビタイマーもなくてはならない存在です。ぜひ次の一本は、このような歴史ある逸品はいかがでしょう。機械式時計の奥深い魅力に更にとりつかれること間違いなしです。






