大人の遊び心を誘うナルセ時計の置時計
置時計にもいろいろありますが、これほど存在感のある時計があるでしょうか。
リズミカルに時を刻むムーブメントはむき出しで、神秘的なメカニズムを堪能することができます。金属の持つ重量感とメカニカルな佇まいは、大人の男達にわくわくするような少年の心を呼び起こしてくれます。

この独創的な置時計を製造したのは、知る人ぞ知る名古屋の時計メーカー「ナルセ時計」です。
愛知県は古くから日本のからくり人形の産地として知られ、愛知万博でも、巨大な「千年時計」や、幕末に活躍した田中久重の「万年時計」の復刻が話題になりました。「千年時計」は高さ5メートルの巨大なからくり時計で、最も大きな歯車は直径1メートル程、おもりが落ちる重力を利用した巨大な振り子時計でした。この記念碑的な時計を製作したのが、ナルセ時計を創業した成瀬拓郎氏なのです。
ナルセ時計の中でも初期の頃のオースドックスなモデル「TN08」。17センチの高さは書斎やリビングに丁度良い大きさで、普段は付属のガラスケースに入れて飾っています。9時位置のスモールダイヤルに配置されているのが秒針です。
何世代にも渡って使い続けられるように、数字のくり貫かれたインデックスやブリッジはもとより、歯車からゼンマイに至るまで、高耐食性ステンレスで作られています。パーツは全て自社工房で製造され、一つ一つ手作業で時計に組み立てられていきます。レトログラードモデルや斬新なデザインのバリエーションが豊富に展開されるようになりましたが、この作りは今でも全てのモデルに見られるナルセ時計の真骨頂です。

オーダーしたのは2004年の暮れでしたが、ただでさえ製作に手間のかかる時計、愛知万博の準備と重なったこともあって、家に届けられたのは翌年の3月頃だったと記憶しています。待ちに待った時計を箱から取り出し、実物を目の当たりにした時の興奮は忘れられません。








