オトコの定番

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2008/03/05

黒い森、シュヴァルツヴァルトの幻のクロノグラフ

1985年に電波時計を世界で初めて実用化したドイツ最大の時計メーカー、ユングハンス(JUNGHANS)。機械式時計の40年代にあっても、その高い技術力でマニュファクチュールとしてドイツ時計業界を牽引していました。敗戦後の東西の分裂でドイツ時計業界が大打撃を受ける中、満を持して発表されたのがクロノグラフ・キャリバー88です。

典型的なツーカウンター・クロノグラフで、飽きのない端正な佇まいが気に入っています。金メッキケースにクリーム色の文字盤が映え、外周に二重に刻まれた細かいテレメーターとタキメーター目盛りが、控えめながら精緻な雰囲気を漂わせています。

ユングハンス クロノグラフ
最近、ドイツの東部に位置するグラスヒュッテが時計産業の聖地として知られるようになったのは、A.ランゲ・アンド・ゾーネやグラスヒュッテ・オリジナルの功績が大きいでしょう。かつてこの地で作られていた伝統的な懐中時計の美しさに範を見出し、贅を凝らした腕時計を世に送り出しているからです。

しかし、知る人ぞ知る西の聖地こそ、スイス国境に程近いシュヴァルツヴァルトです。黒い森と呼ばれるこの地方は、スイスのジュラ地方(ラ・ショー・ド・フォンやル・ロックル)、フランスのブザンソンといった時計生産地と隣接し、グラスヒュッテと並ぶほど古くから時計産業が栄えていた場所でした。このシュヴァルツヴァルトのシュラムベルグという町に1861年に設立されたのがユングハンスです。

ユングハンスといえば、電波時計やソーラー時計の分野でパイオニア的存在として知られるドイツ屈指のハイテク企業です。ところが、40年代には伝統的な機械式時計の分野で、設計から部品の製造、組み立てまでを自社内で完結できる世界的にも数少ないマニュファクチュールだったのです。20世紀に度重なる戦争を経験しながらも、幸運にもドイツの奥深い森の中の工場は被害を受けず、第二次大戦後には早くから新しいムーブメントの開発に着手することができました。今回の腕時計は、1956年に開発された手巻き式クロノグラフを搭載したモデルです。






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