プロ用工具で始める機械式メカニズムの世界
時計のメカニズムの極小世界に踏み込むには、専用の工具が必要です。趣味とはいえ、車やバイクのメンテナンス、日曜大工と同様で、長く使える良い物を手にしたいものです。
時計愛好家やアンティークショップが目もくれない古びた腕時計は、押入れの奥や骨董市で見つかります。修理には何万円もかかるだけでなく、交換部品がないと直せないリスクもあるので、結局、日の目を見ずして捨てられてしまうものです。そういった腕時計を分解してみたり修理に挑戦してみると、機械式時計の魅力の核心に迫ることができます。その際、最も重要となる工具は、やはりピンセットとドライバーです。時計専用のピンセットは、スイスのデュモン社(Dumont)が有名です。磁気を帯びにくい特殊な金属で作られているのが特徴で、どんな小さい物でも確実に摘める使用感は抜群です。

熟練の時計師は先端を好みの形状に仕上げて使うそうです。噛み合わせがゆがんでくることもあるので、時々砥石で手入れをします。
ピンセットと並んで使用頻度が高い精密ドライバーは、ホロテック社(HOROTEC)のものを使っています。最も有名なベルジョン社(BERGEON)と同様、世界中の技術者から絶大な信頼を得ています。

ムーブメントを傷めないように刃先は柔らかくできているので、固く締め付けてあるネジだと折れてしまうこともあります。刃先を修復したり、ネジ溝に合うように砥石で調整するのは常です。扱う機械も繊細なら工具も繊細なのです。
もちろん磁気帯びは大敵で、同じ精密ドライバーでもカメラや眼鏡用のマグネット入りの超硬ドライバーとは全くの別物です。





