【嗜むための二十九本目 スペイサイド編 アルタベーン】
シトラス系の爽やかさとナッツやバニラの風味がとても心地いいが、きわめて繊細なため、主張の強いシングルモルトに慣れている方は物足りないかも。
1975年シーグラム系シーバス・ブラザーズ社によって創業され、最先端の設備を誇る近代蒸留所として建設されているが、外見は古き良き蒸留所の面影をのこし、伝統的なパゴダ屋根を用いている。
当時、シーバスブラザース社はもうひとつ、ブレイス・オブ・グレンリヴェット蒸留所(現在はブレイヴァル蒸留所)という、2つの蒸留所をオープンさせた。
アルタベーンを語るときにこの両方は良く引き合いに出される。同じスペイサイドモルトであるにも関わらず、その風味は、ある意味対照的でとても興味をそそられる。
蒸留所があるのは、ベンリネス山のふもとにあるグレンリネス村だ。アルタベーンは山の反対側(南側)に建てられている。
フィディック川の西岸に位置し、ごく少数の職人だけで蒸留できるように、設計され、また仕込み水は、ベンリネス山から湧き出る泉を源とするスカラン川とローワントゥリー川から引いている。
グレンリネス村はウイスキーの聖地といわれるダフタウンから数キロメートルほどしか離れていないが、水質の差だろうか、アルタベーンにはダフタウンで造られるモルトにはないクリアーさとエレガントさがある。
アルタベーンとはゲール語で“ミルクの小川”を意味し、蒸留所の近くを流れるアルタベーン川はその名に由来している。
当初、農夫たちが搾乳した後の桶などをこの川で洗っていたため、この名が付いたと言われている。




