【嗜むための十四本目 スペイサイド編 モートラック】
創業以来、この蒸留所は不幸にして幾度となく経営者が代わり、そのたびに生産と休業を余儀なくされてきた。一時期はグレングラント蒸留所を創業したグラント兄弟が所有していた時もあり、グラント兄弟がグレイグラント蒸留所建設のために、モートラックの設備を売却してしまったこともあるという。
1923年にはジョン・ウォーカー&サンズ社の所有となり、それ以来ジョニーウォ
ーカーの重要なモルト原酒となっている。
現在UDV社の花と動物シリーズ16年物が一般によく見かけられる。ラベルに描かれている鳥は、かつてこのあたりの農家でよく飼われていたダックを描いている。このあたりの農家にとってダックはきっと五穀豊穣のシンボルだったに違いない。
モートラック蒸留所の仕込槽(マッシュタン)は有蓋式で麦芽(グリスト)の量は11,5トン。発酵槽(ウォッシュバック)はカラ松製で、59,000リットルの容量のものが6基ある。
蒸留釜(ポットスティル)は1897年に3基から6基に増設されたが、ひとつひとつの蒸留釜の大きさや形がばらばらで、普通、初留、再留釜がペアになっているがここではペアではない。このため蒸留作業は複雑で蒸留職人の腕の見せ所というか、とてつもない職人技がモートラックの力強いフレーバーを生み出す要因となっている。
年間の生産量は約200万リットルと、UDV社の蒸留所では中くらいの規模である。
モートラックは出来不出来が非常に少ない秀逸のモルトである。どのボトラーズの物も概して不出来なモルトはない。オフィシャルのフラワーフレーバー的な少しスウィートなものも良いできである。
またスウィートな感じと麦ぽっさが特徴的なウィルソン&モーガンやダンヴィーガンなどもおもしろい。
ゴードン&マクファイルや、ザ・ボトラーズのように長い余韻のあと、フィニッシュでドライな感じの物も試してみたい。
最近ではカスク・ストレイングス・リミテッド・ボトリングやレアモルト・エディションが新たに脚光を浴びている。
【モートラック16年 テイスティングノート】熟成年数 16年
コメント エレガントな花のような香り、微かなスモーキーさや、シェリーや
ラム酒のような甘さがある。複雑でボディがあり余韻も長い。
色 セイロンティのような琥珀色
香り シェリー香が強い。バニラやビスケット、少しスモーキでピーティ
ボディ フルボディ
味わい まろやかで厚みがあり、コクがある。シェリー樽の熟成の味、
フルーティ




