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2008/01/21

おでんクッキングの秘訣

 全国各地にはさまざまな「おでん」がありますが、一般に思い浮かぶのは、だし汁が透明でさっぱりとした薄味のもの。そんな上品なおでんを作るには、だし汁を沸騰させないことが重要です。グツグツさせてしまうとだし汁がにごるし、練り物の味が抜けてしまうのです。

●おいしいおでんを作るには
 とあるおでん屋さんにポイントを聞いたら、次の3点を挙げてくれました。できるだけ大きな鍋を用意して、おでん種がだし汁のなかで漂うぐらいにすること。また、一度に作ろうとしないで、味付けしたおでん種を皿に取り分けておいて、食べるときにそれを足して温めること。さらに、だし汁を多めに用意して、汁が減ったらどんどん継ぎ足すこと。
 そうはいっても、いざ作ろうとすると、小さな鍋におでん種をぎっしり入れてしまいがち。だいたい、そんなに手間はかけていられないという人もいるはずです。
 そんなことを考えていたら、おいしいおでんの作り方を科学的に研究している早稲田大学理工学部の小林寛名誉教授に出会いました。
「おいしさの6割は香りで決まりますが、沸騰を続けながら煮ていると、蒸気といっしょに香りが逃げてしまうんです」
 野菜や肉などいろいろな食材の調理実験をしているうちに、小林教授は料理の3原則に気づきます。食材の香りは蒸気といっしょに逃げていくので、長時間沸騰させないこと。食べ物に適した温度(肉や魚なら80度くらい)と時間で調理すること。料理の味は冷めていく過程で染み込み、温まる過程で染み出すこと。
「なかでも、おでんというのは、夕方から煮ても味が染みなくて、困った料理のひとつだったんです。それなら、朝におでんを作って保温して、夕方に食べたらどうだろうと。弱火で沸騰直前まで加熱して、5〜6時間置いておけば、おいしいおでんができます。味にうるさい友人たちも納得してくれましたよ」


 小林教授は、いったん沸騰させた鍋を火から下ろし、そのまま保温して料理する方法を「適温調理」と名づけています。最初は火から下ろした鍋を発泡スチロールの箱に入れていたそうですが、何度か使っているうちににおいが染みついて臭くなってしまうので、けっきょく、適温調理が手軽にできる「はかせ鍋」を開発したそうです。
 はかせ鍋を買わなくても、段ボールで鍋を囲んで発泡スチロールで底板を作ったり、新聞紙とバスタオルで包んでも、同じ効果が得られます。
 なんだかずいぶん遠回りしたようですが、適温調理はまさに、おいしいおでんを作るために科学的に考えられた方法だったのです。







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