酒・食・名店

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2008/01/14

名店探訪/長崎市・桃若

 長崎一の繁華街といえば「思案橋」ですが、現在その橋はありません。地名の由来になった「思案橋」は、かつての遊郭・丸山の入り口に位置し、行こうか戻ろうか考えた場所でした。江戸時代は木造橋で、一時期は屋根の付いた廊下風の橋だったこともあるそうです。

●行こうか丸山、戻ろか思案橋
 ぶたまん、一口餃子、ちゃんぽん、皿うどんなどの有名店が並ぶ「思案橋横丁グルメ通り」に、昭和6(1931)年創業の「桃若」があります。黒ずんだ柱の店構えも貫禄を感じさせますが、戦後になってから今の場所に移ってきたそうです。
「私で3代目になります。『桃若』というのは祖母が丸山の遊廓に上っていた時の源氏名で、店を始めたときにそのまま使ったんですよ」
 店名の由来を尋ねると、店主の松山正彦さんは、そう教えてくれました。当時は「丸山の3大名妓」と言われたほど人気があったようです。
「実は僕、全国のおでんを食べ歩いてるんですよ」
 約10年前に初めて店を訪ねたときに、そんなふうに切り出してみました。
「うちのはおいしいでしょ?」
「おいしいでしょって、答えを言ってどうする。普通は、どうですか?って聞くもんだ」
 おかみさんの声に続いて、ご主人の突っ込みが入りました。この夫婦のかけ合いがおもしろく、カウンターに座っていると、ほかのお客さんとの話も弾んできます。夫婦漫才のようなやりとりは、そのつなぎ役にもなっていて、「おでんより話が楽しみ」という常連客もいるほどです。
「やっぱり、二人で切り盛りしてやってきたのは、すごいと思います。おでんの味付けも教えてもらってますが、僕はまだまだですね」
 平成10(1998)年から4代目として修行中の息子の貴則さんは、両親のやりとりを聞きながら、店の歴史を感じていました。






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