酒・食・名店

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2007/12/24

名店探訪/東京・こなから

 本郷通りからひっそりした路地に入ると、ビルの谷間に古風な門構えの店が現れます。引き戸を開けて玄関で靴を脱ぎ、掘りごたつ状のカウンターに腰を下ろします。店内は黒ずんだ板壁と土壁で囲まれ、どこかの民家に招かれたようです。

●和食の板前がたどりついた味
 長年、和食の仕事に携わってきた主人の中田利雄さんが、その経験を生かして1990年に開店。今では2週間くらい前に予約しないと入れない超人気店です。
 中田さんが料理の店に飛び込んだのは16歳のころ。大阪・京都・神戸の料理屋で修行を重ね、40歳を過ぎたころからホテルや旅館の料理長として腕をふるうようになり、その後、東京の板橋に自分の店をオープン。順調に営業していたものの、約10年が過ぎたころに、知人から「空いている土地があるから、おでん屋をやってくれないか」と声がかかりました。
「おでんのことはまったく知らなかったんです。ただ、だしがおいしければお客さんは来てくれると考えました。干しシイタケのクセを消し、全体の甘味を引き立たせるのに苦労しました」
 現在の味にたどり着くまで、オープン後も試行錯誤が続いたそうです。昆布や鰹節のほかに、小アジの干物、スルメ、ホタテ、鶏がらなど、思いつくものはすべて使ってみました。最後にたどり着いたのが、大分から取り寄せた「どんこ」(肉厚の干しシイタケ)の軸でした。干しシイタケのうまみ成分はグアニル酸と呼ばれ、グルタミン酸やイノシン酸よりもうま味が強い特徴がありますが、そのぶんシイタケのクセが出やすい素材です。これに昆布・鰹節・サバ節のだしを合わせて、シンプルに塩で味付け。そのだしを口にすれば、だれもが納得するでしょう。







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