酒・食・名店

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2007/12/03

名店探訪/札幌・一平

 日本各地のおでんを食べ歩いていると、「あの店には行った?」と聞かれることが多く、そのなかで何度も名前が出てきたのが、札幌の「一平」でした。その実力はおでん屋の店主も一目置くほどだとか……。

●素材の持ち味を生かしたこだわりだしの贅沢なおでん
 おでん鍋をのぞき込むと、うっすら黄金色で透き通っている。メジマグロの鰹節を使っただしは、やや酸味を帯びた上品な味で、ほんのりとシイタケの風味が漂います。
「おかげさまで、だしの味は変わらないと、40年以上通ってくださるお客さんに言われます」
 そう話すのは、二代目店主の谷木紘士さん。毎日30リットルのだしを仕込み、継ぎ足しながら使っているのに、お客さんがよく飲むせいか「ほとんどなくなる」そうです。
なかでも独特なのが、ウニと岩のりにさっとだしをかけたもの。生で食べられる新鮮なウニは、加熱することでさらに甘みが増して、口の中でとろけます。同じように、ホッキ貝や活ダコ(活きたままの水ダコの皮をはいで身をそいだもの)と岩のりの組み合わせもおすすめです。

●和食の仕事、江戸前のこだわり
 一平の創業は1960年で、当時は屋台だったそうです。1929年に創業した東京・銀座の「一平」から暖簾分けで独立しました。
「大阪とは仕事のやり方が違う。大阪の『たこ梅』のようなおでんだと、さえずりが生きてくるけど、ウチでは使えない素材なんです」
 銀座・一平のルーツは、神楽坂にあった料亭「一平荘」。戦災で焼けたあと、銀座に「日本料理とおでん」の店を出して人気を呼びました。和食が下地にあるせいか、おでんというより「炊き合わせ」の感覚だといいます。素材の持ち味を生かすため「どんな火加減でどれくらい煮るか」が腕の見せどころなのでしょう。
旅に出ると必ずおでん屋を訪ねた谷木さんは、「味より、材料に関心があった」と話します。その素材へのこだわりは見事で、特にフキ・ワラビ・タケノコ・ウド・ハマボウフウ・ウグイスナ・小カブ・アズキナなど、旬の野菜や山菜が喜ばれています。





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