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2007/03/02

お燗酒いろいろ

お燗が人気を呼んでいる。
と改めて書くまでもないが、古い時代からお燗酒は飲酒文化の根幹をなす風習だった。

ここ20年ほどの動きをみれば、大吟醸・純米吟醸・生酒・無濾過生原酒といった酒質によって「冷やして呑む」という飲酒スタイルが確立していったからである。
冷やして美味しく呑める。
これは手軽で手っ取り早いし、提供する飲食店も手間が省けてよい。

だが時代は少し変わってきた。ゆっくりしたリズムの中でスピリチュアルな精神世界で自分を癒してゆきたい。少し面倒だけど温めて呑んで気分をゆったりさせたい。
そんな飲酒スタイルを求め出してきたのである。
お酒自体も先のような酒質のお酒でお燗にすると、また違った味わいがあって、旨い。

お燗はお酒を簡単に熟成状態にする一つの手段なので、熟成に向いた米(例えば山田錦など)を使ったお酒をお燗にすると実に旨い。
無濾過生原酒などは「冷で飲むもの」と決めつけず、ぬる燗にしてもいい。

ひと口にお燗といってもお燗のやり方はさまざまである。
電子レンジでチーン!というやり方もあるが、これだとお酒が全体的に温まらないし、遊び心も風情もない。
やっぱり少々面倒で時間がかかるけど、湯煎が一番しっくりくる。という訳だ。
でもこの湯煎もいろいろある。

私もさまざま試してきたが、やかんでも鍋でもいいので水をいれ一度沸騰させ、火を止める。そこでお酒の入った徳利を入れて温めていくのである。
お燗用の温度計を用意して、自分の好みの温度に仕上げていく。
もしくは徳利に沸騰したお湯を入れてそのまま温める。その後徳利の湯を捨てお酒を入れる。やっぱりこれも50秒から1分間置くと、ちょうどいいぬる燗で優しい味わいになる。
それと呑みたい温度よりも少し熱めにお燗をして、徳利を前にしてゆっくり呑んでいくとお酒が少しずつさめてくる。いわゆる燗冷ましというやつだ。これもまた実に旨い。

お燗が出来るまでの時間。テレビやラジオを消し、お気に入りの音楽をかけ、肴をつまみつつ、ゆったりと待ち、ゆっくりと呑む。この時間が最高に贅沢だ。

お燗に風情を感じるもう一つの理由は温度帯による呼び名だ。
55℃以上を「飛び切り燗」。45℃以上を「上燗」。40℃以上「ぬる燗」。30℃以上「日向燗」。20℃前後「常温」。ついでにいうと冷やした時は15℃を「涼冷え」。10℃を「花冷え」5℃前後を「雪冷え」と呼ぶ。
外国人はお燗は全て「Hot」冷酒は「Cold」と表現が簡素だ。
その点日本人は風流だ。日本人に生まれてよかったとさえ思う。
もちろん、「冷が好きだ」という御仁もいる。
お酒は十人十色。呑み方なんて人それぞれだ。
千通りの旨い呑み方があったほうが酒文化は更に花開いてく。






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