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2007/02/21

お酒は今が黄金期 〜かつてこれほど美味しいお酒の時代はない〜

以前、「昔のお酒は美味かった」と年配の人が言っていたが、私は即座に「そんな事はない。今ほどお酒が美味い時代はない」と反論した。あれからもう25年も経過した。地方の地酒がもてはやされ始めた頃である。そしてお酒はさらに進化して今、最も充実した、いわば「黄金期」を迎えていると言っていい。

ちょっとお酒の業界を知ってる人がこれを読んだら、「何をバカな事を書いてるんだ」と思うかも知れない。数量的にみても1975年(昭和50年)販売石数は980万石に達し、これをピークに以後30年間、長期低落傾向をたどり、現在450万石ほどである。蔵の数も当時3450場あったものが現在は1800場ほどに減ってしまった。販売数量、製造場ともにほぼ半分になっている。

なのになぜ今「黄金期」か、というわけだ。

昔に比べると精米技術が格段に発展したというのもある。酒質的にみると全体数量は下がっているのに、いわゆる普通酒といわれる比較的あんまり美味しくないお酒(断っておくが全ての普通酒がまずいと言っているわけではない)の数字の伸び率に比べると、純米酒・純米吟醸酒・吟醸酒といった特定名称酒は逆に右肩上がりで、数量をどんどん伸ばしている。

具体的にズバリ言ってしまえば一升三千円前後のお酒が狙い目なのである。

以前だったら、この味なら一升五・六千円はしただろうなぁ、と思うお酒が「一升 三千円」という価格帯に集中してきているのだ。
なぜこんな現象が起こったのか。気軽に買える値ごろ感もあるだろうが、全国の蔵元が生き残りをかけて本気で市場獲得に乗り出してきた、というのが最大の要因と言っていい。 「一升 三千円」でどれだけの美味しいお酒が出せるか。その市場を獲得できれば将来生き残っていける。大小を問わずどの蔵元もそんな認識に立ってきたのである。
とくに中小蔵にとって無名であってもキチンとした商品開発で、市場戦略を間違えなければ消費者に支持される、そんな自信が若手蔵元中心に芽生えてきたのも市場を賑やかにしていておもしろい。

業界全体が衰退した事によって、むしろ美味しいお酒が市場にたくさん出回ってきた。皮肉な現象ととれなくもないが、お酒の市場は落ち着いてきた、とみた方がいい。ある意味、健全な市場になってきたのである。

消費者にしてみれば、完成度の高い美味しいお酒を三千円出せば一升瓶が買えるのである。しかも品揃え豊富な中で、恐らく呑んでも呑んでも呑みつくせない銘柄数と言っていいだろう。さらに無名ながら生き残りをかけて市場参入してくる蔵元はまだまだある。

このお酒の黄金時代は、果てしなき地平線のさらに高見を目指してしばらく続いていくように思える。





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