酒の旅人・街道筋の蔵 山陰道・出雲路 その7 「七冠馬」の蔵を訪ねて神話の里・奥出雲へ
三瓶(さんべ)温泉に泊まった翌日、「石見銀山」の浅野蔵元が、珍しいランチを食べさせる「野の花」(電話0854・82・3925)という店があるからと連れて行ってくれた。
近くで採れる野の花や野草を中心に天ぷら、おひたし、和え物と工夫し、ご飯は五穀米というヘルシー定食(600円 )。身近な草花が食用になることを知って意外だったし、結構それなりに特徴のある味で美味しかった。先ごろ、飾りに使われたアジサイの葉を食べて中毒を起こしたニュースがあったが、食用・非食用を区別する研究をもっとするべきだと思う。いざとなったとき、役立つような気がする。泡無酵母発祥の地・簸上清酒
これから訪ねたい蔵がもう一軒あるので、浅野蔵元と大田駅で別れた。山陰本線に再び乗って、宍道駅まで行く。木次(きすき)線に乗り換え、出雲横田駅を目指した。中国地方きっての山岳路線で、一部区間は行楽シーズンになるとトロッコ列車が走るというローカル色のある鉄路だ。時刻表をのぞくとわかるのだが、全線通しの運行は1日にほんの2〜3往復。宍道〜出雲横田間は2時間近くも乗る。それを承知で乗ったのだが、やっぱり遠いなぁというのが実感だ。
神社造りのたたずまいも厳かな駅から、のんびり歩いて5分ほどで目指す蔵に到着した。「七冠馬」で知られる簸上清酒である。
「この地方の人たちは車なしでは生活し難いということです。僕も東京に勤めてこの地へ戻って来たんですが、生活環境がいい分、交通の不便さは我慢しなければと思っています」
営業担当の藤原幸男さん(45歳)が応対してくれた。




