酒・食・名店

Column Title : 

  •  PR  
2008/10/04

酒の旅人・街道筋の蔵 山陰道・出雲路 その7  「七冠馬」の蔵を訪ねて神話の里・奥出雲へ


突然変異で誕生した泡無酵母


この蔵へ来てみたいと思ったのは、泡無(あわなし)酵母発祥の地と聞いていたからだ。

「蔵は以前、この近くを流れる斐伊川沿いに細長く建っていたんです。先代田村浩三の時代ですが、昭和30年代前半のことです。普通ならタンクいっぱいに高泡が出るのに、上がってこない醪タンクがある。腐造してしまったのだろうか心配だったが、結果的に通常のお酒に仕上がっていった。不思議な現象なので、その醪を持って国税庁醸造試験所を訪れました。当時、技官だった秋山裕一先生がそれに興味を持ち、現在の泡無酵母が誕生したのです」

持参した醪は酸の強い酵母で、突然変異株の原種だったそうだ。田村明男蔵元(52歳)が詳しく説明してくれた。

たたらの里の風土を酒銘にした酒

蔵の創業は1712年。現在14代目になるが、もうすぐ300年になろうかという蔵である。主力銘柄「七冠馬」は言うまでもなく、競馬のシンボリルドルフからとったもの。田村蔵元の親戚筋が競馬関係者だったことから、この酒銘がつくられたという。

またここは「たたら製鉄」で知られる所である。たたらとは、日本刀の原料「玉鋼」(たまはがね)を生成する炉のことで、日本で唯一の昔ながらの玉鋼生産地だ。その「玉鋼」を酒銘にもしている。近くに「奥出雲たたらと刀剣館」があるので、立ち寄ってみたい。

お酒は「棚田五百万石」1・8ℓ2600円が超お薦め。駅前の料理旅館に誘われて3人で飲んだが、生原酒3年古酒「たたらの里」もあって、これも絶品だった。





この記事のトラックバックURL: