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2008/08/24

酒の旅人・街道筋の蔵 山陰道・出雲路 その1

山陰道は京を起点として亀山(現在の亀岡市)、丹波、和田山を抜け、鳥取、倉吉、米子から松江、出雲と石見国(島根県)の日本海沿岸を通って、最終地は長州(山口県)の小郡までをいう。

京が起点になったのは平安京への遷都からで、それまでは奈良の都が起点だった。いずれにしろ、都と西の大国・出雲を結ぶ重要な官道ルートだった。現在の国道9号線がこの山陰道にほぼ沿って走っている。今回は鳥取県の倉吉をスタートして、石見銀山のある島根県の大田までの街道筋の蔵を歩いてみた。

地図を広げると解るのだが、倉吉は日本海沿岸から内陸部に入った位置にある。山陰道から外れてしまうようだが、実は古代の山陰道はこの倉吉や東の鹿野などを通って京・出雲を往来していたという。近世になって倉吉と八橋(やばせ)を結ぶ八橋往来、倉吉と泊を結ぶ倉吉往来、倉吉と鹿野・青屋・鳥取をつなぐ鹿野往来などが次第に整備され、物見遊山の街道として賑わったようだ。

特に倉吉は城下町としてだけでなく、いくつもの街道が集まる宿場町としても栄えた。また800年の歴史があるといわれる三朝(みささ)温泉、それと奈良時代に役小角(えんのおづぬ)が崖の窪みに投げ入れたと伝承される投入堂(なげいれどう)がこの倉吉周辺にあり、江戸期は庶民の往来で賑わったようだ。日本海沿岸の山陰道の町と内陸部の城下町に、出雲大社の参詣がてら寄り道する旅人の姿がうかがえる。

今回、一番目の目的地である中井酒造を訪れた際、投入堂で知られる三徳山(みとくさん)まで私も出かけてみた。標高470m、絶壁の途中に堂が建てられていて、正面1間・側面2間の切妻檜皮葺(きりづまひわだぶき)の建物である。急斜面の岩盤に幾本もの支柱で足場を築き、最長9mの支柱に支えられた懸(かけ)造りだという。今日までの長い年月の間、修造が繰り返されたそうだ。近くまで行くことができるが、そこから往復3時間の山道と聞いて諦めた。ただその麓に望遠鏡が設置されていて、覗くと投入堂の建築美をはっきりと見ることができる。





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