酒・食・名店

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2008/08/02

酒の旅人 街道筋の蔵  奥州路・石巻街道 その4

 温泉名は「吹上旅館・峯雲閣」。古川駅から陸羽東線に乗って鳴子温泉駅に出る。そこからバスでおにこうべ鬼首間歇泉前下車。およそ30分ほどの距離である。ただバスは1日何本も出ていない。私たちもバスが出た後に到着で、鳴子温泉からタクシーに乗った。4,000円ほどである。鳴子ダム(地元の人は荒雄川ダムと言っていた)を過ぎると、道はいよいよ険しくなっていく。この道は羽後街道のひとつになっていて、別名「鬼首街道」とも呼ぶ。かつては仙台と秋田を結ぶ最短コースだった。江戸期は仙台、秋田両藩にとって重要な街道だったらしい。鬼首の木地を横手盆地に、川連の漆器を栗原地方へ運んでいた。

 もう20年ほども以前、この道を夜ひとりで走った事がある。険しい道もさることながら、地名がおどろおどろしく不気味な気分に襲われたのを思い出した。地名の由来を調べると、延暦20年、恒武天皇の時代、征夷大将軍の坂上田村麻呂が東征の際、栗原郡佐沼の山中に住む鬼と呼ばれた賦魁大武丸を追って、この地で首を刎ねた。鬼切部とこの地を称していたが、時代と共にいつしか鬼首という地名に変わったという。

 鬼首間歇泉は地鳴りを伴って噴出孔に湯をため約2時間ごとに噴き上がる。今回はそれを見ることはできなかったが次回の楽しみにしたい。近くには轟・神滝・宮沢・荒湯などの温泉があり、鬼首温泉郷はそれらの総称となっている。新緑と紅葉、また冬は雪質がいいためスキーでも、四季折々で楽しめるらしい。

 峯雲閣の宿は間歇泉から歩いて5分ほどのところにある。案の定、といっては不幸につけ込んで嫌な表現だが、客は私たちだけで貸切り状態だった。冷蔵庫やテレビが倒れた程度で、これといった被害はないそうだが、なお余震が続いていて恐い、と宿の人が話していた。実はその晩も夜中、結構揺れたらしいのだが、脳天気な2人は気づかずじまいだった。当然、へろへろに酔って寝ているのだが、宿のすぐそばを流れる川のせせらぎが心地よかったせいもある。





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