酒の旅人 街道筋の蔵 奥州路・石巻街道 その2
杜氏は当然、南部杜氏で、吉田啓一杜氏(68歳)が蔵人2名と共にやってくる。それに社員2名、その他の蔵人がいて総勢8名での酒造りという。この蔵は岩手県盛岡市の菊の司の分家で、創業は1861年だ。戦前には名杜氏とうたわれた平野佐五郎がこの蔵で杜氏を勤めてもいたという。現平井蔵元で5代目になる。蔵の建物の一部が石造りになっていて、野蒜石(塩釜石ともいう)と呼ばれるそうだ。
原料米の中心は山田錦だが、その親である母の山田穂と父の短稈渡船を使用したお酒も最近、発売された。「以前から自分で確認したいという思いがあって、8年かかりました。山田錦は父親似なのか母親似なのか。どっちだと思います?人それぞれ感じ方は違うと思うけど、お酒を実際造った感想でいうと、やっぱり母親似だと思います」
はじめは種子保存機関から種籾を買い、現在は兵庫県の中町で山田穂と短稈渡船を増やしているという。そのいくつかをUかせてもらったが、優劣つけがたいほどどれも美味しい。口当たりが滑らかで、すっと喉を通っていく。思っていたより甘くなく、いい具合だ。山田穂の純吟1,8!4,000円がお勧めというところだろうか。




