お酒の流通・昨日・今日・明日 <その3>
もう1つ、気になる流通形態は販売力を持った酒販店や、グループ化した組織の中でリーダー格の酒販店が酒類の卸免許を自ら取得して酒類問屋の役割を果たそうとする動きである。
流通の「中抜き」が常態化し、酒類問屋の衰退化が進んで、流通の簡素化が行われていったにもかかわらず、また中間業者が登板してきたという感じだ。
なぜこうした動きになってきたのだろうか。要因を突き詰めていけば需要の低滞・減少にいきついていく。「蔵元直送直取引」が蔵元、酒販店双方にとって効率的で情報がストレートに入って即対応できるメリットは生じたものの、肝心の需要が伸び悩み、落ち込んでいけば潜在的だった問題が顕著化してくるのも当然なのかも知れない。
最も問題となっているのは、酒販店が発注する際の小ロット化への動きだ。 「小さく仕入れて小さく売る」。 小売店の本来の役割だが、蔵元にしてみれば、酒販店からの小口発注にも限度がある。具体的に言うと、発注ロットが5ケース以上なら運賃等の流通経費は売上利益からカバーできるが、3ケース、場合によっては1ケースとなると運賃分を消化することが出来ない。頻繁に注文があるなら薄利多売で成り立ちもするだろうが、たまにしかない注文なら商売にならなくなっていく。
そんな問題点が業界の一部で言われ出し、結局、その交通整理をしてくれる中間業者の存在が必要になってきた、というわけだ。 当然、蔵元、卸、小売三展が適正な利潤が確保できるように仕組まれていて、一般的には小売価格は「オープン価格」になっている場合が多い。つまり、ある1つの銘柄に対して店や地域によって小売価格が異なってくる。




