酒・食・名店

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2007/12/29

失敗覚悟で古酒づくりも面白い

 古酒についてもう少し触れておこう。
 過去、私は古酒にもっていって、1度も失敗した事がない、と書いたが、何でも古くなったお酒を古酒にしていっているわけではない。

飲んだ瞬間、これは古酒にすると面白くなりそうだ、というのが何となく感じてしまうのだ。原酒である事、純米酒である事、少し重い味の酒である事、などが頭に浮かぶが、どうもそれだけじゃない。生酒であっても古酒にしてしまうのだが、蔵元たちは「無謀だ」と口を揃える。確かに2〜3年経過のものは変な味になってしまうが、それを無視して7年8年10年と持っていくのである。すると、とてつもなく変化して、熟成味たっぷりの、少し甘めのお酒になっていく。ビン底にはタンパク混濁したにごりが2〜3cm貯まって、時と共に黒づんで増えていく。恐らく30年も経ればヘドロのようにまっ黒になっていくだろう。
 実はこのヘドロ状の古酒を飲んだ事がある。親しくしていた新宿の飲み屋の親父が、確か30年ものの本醸造酒だ、といって持ってきた。底に10cmほど貯まったものだけをグラスに入れて私に飲ませたのである。もろヘドロそのものだが、口に含むと古酒の味がする。思い切って喉を通すとヌルっとしながら食道へストンと落ちるように入っていく。美味い。いい味の古酒である。後で腹をこわさないか心配だったが、その後、別段、私の身体に変化はなかった。





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