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2007/11/08

関西のニューウェーブ蕎麦屋が東京に進出、注目の「東京 土山人」で生粉打ちせいろを食す

「土山人」が東京に支店を出すという情報を聞いたときにはワクワクしてしまった。関西のニューウェーブ蕎麦屋さん初の東京進出。蕎麦業界に一石を投じる試みになるだろう。

「土山人」は「芦屋 土山人」をはじめ兵庫・大阪に4店舗。5店目の「東京 土山人」はこの10月31日にオープンしたばかりだ。
 目黒川沿いのビルを半地下に下りていくと床にいろんな陶板が埋められて、いきなり「土山人」ワールドへと入り込んだ。

 店造りのプロデュースは陶芸家の木下幸男氏。カウンターと土壁で仕切られた個室が二つ。スタイリッシュな隠れ家蕎麦屋の印象は奥に進むと一変する。
 狭い廊下の先には、テーブル席が配された広々とした空間が待っている。ガラス越しに贅沢なくらいの広がりを持った緑のガーデン。ゆったりと寛ぎながら、酒を飲み料理を味わう蕎麦ダイニングの店である。

 オーナーの渡邊榮次さんは神戸出身。「凡愚」で蕎麦と出会い、関西大震災をきっかけに転身。東京の「江戸東京そばの会」で蕎麦打ちを習った。平成10年開店の「芦屋 土山人」は玄蕎麦の皮剥きから自家製粉する、当時の関西では珍しい本格的な手打蕎麦屋だった。行列のできる人気店は次第に支店が増えていく。

「はじめに人ありき。金儲けのためではなく、ずっと勤めている子の収入が増えるように、独立したときの勉強になるように、新しい店を造って任せるようになった」
 どの業種でも言えるが、支店ができると味のレベルは落ちることが多い。しかし、「土山人」に限ってはそういう意味で堕落はしていない。それは、渡邊さんが現在も職人であることをやめていないからだ。
 新しい店は、最初の1年ほどは渡邊さんが蕎麦を打ちながら徐々にスタッフに任せていく。蕎麦打ちのノウハウだけでなく「土山人」のスピリッツも伝える。
「いい蕎麦を打ったときの喜びが忘れられない。昔から手仕事が好き」だから、経営者となっても、手首の軟骨が飛び出るほど身体を酷使しても蕎麦打ちを続けている。





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