穴子、山菜、キノコ・・・素材にこだわった料理と、自家製粉の粗挽き蕎麦を食す
JR「相模原駅」近くにある、洒落た佇まいの蕎麦屋さん。季節の厳選素材を使った料理、自家製粉の粗挽き蕎麦と美味しい要素がいっぱい。まだまだ知られざる店があるものだ。
暖簾をかきわけて玄関の引き戸を開けると、やや落とした照明の中に大きな一枚板のテーブルが浮かび上がる。藁を練り込んだ珪藻土の壁に囲まれた店内は落ち着いた雰囲気。居心地のよさそうな、隠れ家風の蕎麦屋さんだ。
メニューを手にして驚いた。料理の品数がとても多いのだ。蕎麦屋の定番料理はもちろん、天ぷら、季節の素材を生かした料理など、選ぶのに迷ってしまうほど。
「料理の素材にはこだわっています。穴子などの魚や、京野菜などは築地に行って仕入れています。春の山菜と秋のキノコは山梨に出かけて、天然物を仕入れてきます」とご主人の鷲平勝重さん。
ほかにも、桜海老は春秋の漁期に静岡県から取り寄せる。山葵は山葵栽培発祥の地・静岡県安倍川上流の有東木(うとうぎ)産を使用している。山葵の香り、味がまるで違うという。
「脱サラで基礎を学んでいないので、素材にいいものを使えば間違いないと思っています」いや、素材だけでなく、料理の腕もなかなかのものだ。
たとえば、写真の「にしんの棒煮」は5日から1週間煮込んだ一品。
蕎麦屋の定番で食べる機会が多い料理だが、ここのは柔らかさだけでなく、甘辛の味付けがほどよく、見事な出来栄えだ。客の人気も高い。
蕎麦は独学で開業する人もいるが、鷲平さんはいろんな蕎麦屋さん、教室で経験を積んでいる。サラリーマン時代に、当時埼玉県吉川町にあった(現在は現東京・両国)、かの「ほそ川」の蕎麦打ち教室に通っていた。その後、八王子の蕎麦屋、一茶庵そば打ち教室を経て、大田区の「蕎麦 ひさ奈」で料理を修業。2002年に開業した。
「それぞれの師匠のよいところを参考にさせてもらっています。修業はやはりしたほうがよいと思いますね。1年を通して四季の違いを経験して勉強になりました」




