ローカル線の旅で蕎麦3食、会津の山奥で意外に洗練された蕎麦に出会う
大根をおろし終えた頃に、ちょうど蕎麦が運ばれてきた。それほど黒っぽくなく、細かいホシが入っている。つなぎは1割という。蕎麦の風味もまずまず。手繰るとコシがしっかりとある。旨い。
蕎麦つゆは、やや薄めだが甘くないのがよい。アザキは蕎麦つゆに入れるとかなり辛く、2度3度と鼻につんと来た。
コシのある江戸蕎麦に慣れていると、地方の蕎麦にがっかりすることがある。蕎麦どころでは素材としての蕎麦はよいのだが、麺がやわらかく、蕎麦つゆが薄くて甘い。
ところが、「こぶし館」の蕎麦は、田舎風の蕎麦ではなく江戸蕎麦に近い打ち方で、麺そのものはほどよく洗練されていた。だから椎名氏の舌にも合ったのだろう。冬は積雪が2mを越すという会津の山奥で出会った、意外に都会ナイズされた蕎麦。おすすめである。
最後に、終点・新潟県小出で食べた蕎麦。小ぎれいな駅前蕎麦屋でなく、近くの古色蒼然とした蕎麦屋に入った。地元の人に自家製粉と聞いたからだ。だが、出てきた蕎麦はエッジが立ってなく丸っこい麺だった。聞けば、たしかに自家製粉だが、麺は機械打ちだった。
手繰ると砂を食べるような、ざらりとした感触。粗挽きの手打ちはざらっとした食感がむしろ心地よいが、これはいやな感触が残った。ちょっと残念。自家製粉するのなら手打ちにも挑戦してほしいものだ。
蕎麦3食食べて、うち1食が花マル。行き当たりばったりの蕎麦旅としては、まずまずの打率ではなかろうか。
「こぶし館」
☆福島県大沼郡金山町大字中川字上居平949−1
☆TEL:0241−55−3334
☆営業時間:平日11:00〜18:30
☆定休日:無休
☆アクセス:JR只見線「会津中川」駅より徒歩約3分
☆メニュー:アザキ大根高遠そば800円、ざるそば700円、むかしそば(大根とゴボウのけんちん汁)750円、とんかつ定食1100円




