八ヶ岳産・信濃1号の“野趣”を愛する脱サラ蕎麦職人の、十割セイロと手挽き蕎麦がきを味わう

蕎麦以外のおすすめは手挽きの蕎麦粉を使った蕎麦がき(写真)。粗挽きで有名な栃木『胡桃亭』の味に近づくために何度も通って試行錯誤を繰り返し、ようやくこの味になった。
織部の器の中央に丸く盛られた蕎麦がきは、白から茶色までいろんな粒々が混じって見るからに超粗挽きだ。ふんわりとした食感と蕎麦粉の荒々しいまでの粒々感。甘味と香り、穀物の濃厚な味わいが押し寄せて、添えられた塩と生醤油も必要ないほどだ。
「信濃1号でなくてはこの味は出せない。蕎麦の甘味がダイレクトに出るのが蕎麦がき。蕎麦がきをもっと食べていただきたいので価格も低くしています」
手挽きにもかかわらず400円。嬉しくなるような価格である。
根岸さんは外資系企業の財務部長を最後に52歳で脱サラした。後始末の仕事よりも、自分で物を作る仕事をしたかったそうで、独学でうどんや蕎麦を打ち、築地そばアカデミーで蕎麦つゆを作るノウハウなどを勉強して2年前、開業にこぎつけた。
「理屈でわからないとダメ。アカデミーでも質問しまくった」
小僧から修業して身体で覚える職人と違い、脱サラの場合は理屈から入って頭で覚える。理論派の蕎麦屋さんと話すのは楽しく、かつ勉強になる。蕎麦と蕎麦談義に満足して、帰りの道のりは遠く感じなかった。
「そば 遊歩」
☆埼玉県深谷市国済寺493−1
☆TEL:048−575−2827
☆営業時間:11:30〜15:30 17:30〜19:30
☆定休日:木曜、第2・第3・第5水曜
☆アクセス:JR高崎線「深谷」駅より徒歩約30分、またはタクシー約5分
☆メニュー:セイロ750円、甘味粗挽きそば750円、田舎そば750円、つけとろセイロ900円、桜海老と小柱のかき揚げ天セイロ1000円、深谷ネギそば900円(1〜3月限定)、蕎麦がき400円、桜海老と小柱のかき揚げ天ぷら300円




