芝のオフィス街に「翁」系の蕎麦屋が新規開店、創作料理の肴とニ八蕎麦を味わう
十割、粗挽きの蕎麦が持て囃される昨今、「翁」系の二八蕎麦を引っさげて都心に登場した蕎麦職人がいる。自家製粉の二八蕎麦は実に爽やか。夜蕎麦の店としても期待できそうだ。
第一京浜からちょっと脇に逸れた静かな一角。コンクリート打ち放しビルの1階に暖簾がかかる。中に入ると天井も壁も白一色の中、カウンターとテーブルの分厚く荒々しいメタセコイア一枚板が存在感を放っている。
この4月14日にオープンしたばかり。15席の小ぢんまりとした店はシンプルで清潔感あふれた設えである。
山田健人さんは20代のころ、十割蕎麦の店で蕎麦打ちを習っていた。
その後、32歳で「安曇野 翁」の蕎麦に出会う。「達磨」高橋邦弘さんの一番弟子である若月茂さんの店だ。
「蕎麦ののど越しと爽やかさに、正直言って感動しました。その場で弟子入りをお願いしたほど。親方には蕎麦に対する姿勢を学びましたね。蕎麦10グラム、水10cc単位で、ちょっとした水の一振りにもこだわる、繊細さを叩き込まれました」
2年3ヶ月、修業をしたが、すぐには独立しなかった。和食の板前である弟さんの店の手伝いや西麻布の創作料理屋で料理長をしながら、「蕎麦会」を開いて蕎麦と料理の腕を磨いた。毎日創作料理を考えていた約4年の日々が今、即興的に作る創作料理風のつまみとなって結実している。
「築地の河岸で仕入れた旬の食材を使って、創作料理のつまみを作っています。この“かぶの茎味噌チーズ”も昨日、思いつきで考えました」
写真の左が「翁」譲りの焼き味噌、左がかぶの茎味噌チーズ。かぶの茎と味噌とチーズのソースで、バターで炒めたかぶを和えた。味噌とチーズが抜群の相性で、酒の肴にぴたりとはまる。
思いつきでサッと作る料理がこれほど旨いのなら、夜蕎麦の店としても楽しみだ。ランチは蕎麦中心だが、夜は定番の焼き味噌のほか、毎日野菜中心に7〜8種類のつまみを用意。
日本酒も店主が飲んで気に入ったものを置いている。









