酒・食・名店

2008/04/17

東京の近くにこんな在来種蕎麦があったとは・・・山梨・小菅村産の「小菅そば」を味わう

在来種の蕎麦には有名品種とは違った味わいがある。東京に隣接する山梨県小菅村で栽培された在来種の蕎麦、珍しい「小菅そば」を限定で出す西国立の蕎麦屋さんを訪ねた。

 在来種とはその地域だけで古くから栽培されていた蕎麦である。その土地の気候風土に合わせて独自の進化を遂げてきた。よく知られているのは会津、黒姫、福井などだ。徳島県祖谷(いや)、長野県旧上村下栗のように生産量が少ない蕎麦は幻の蕎麦とも呼ばれる。全般的に味が濃く香りがあって、美味しい蕎麦が多い。

 蕎麦栽培は冷涼な気候が条件だから、東京の周辺には農家の自家用を除いて蕎麦の産地はまずないと思っていた。ところが、東京都の西のはずれ・奥多摩町に隣接する、多摩川源流の村・山梨県小菅村に古くから栽培している蕎麦があった。

 これは個人的にも驚きである。多摩在住のため奥多摩から丹波山村、小菅村のあたりはぶらりとドライブに行く馴染みのエリアだが、蕎麦畑も蕎麦の花も見たことがなかった。

「車の通る道からは見えないですね。村の奥に入ると、あちこちに小さな蕎麦畑が点在しています。だから、あまり知られていないのかもしれません」

 と言うのは、西国立にある「そば処 かめ井」のご主人、亀井武重さんだ。小菅村に生まれ、15歳まで住んでいた、小菅村出身者だ。
 
 標高が400mほど。山間にある小菅村では水田が少なく、古くから蕎麦を栽培。ふだんはうどんを食べて、冠婚葬祭などに蕎麦を出す習慣だったそうだ。

 亀井さんも母親に蕎麦打ちを教えてもらった。東京に出て役所勤めの傍ら、趣味で蕎麦を打っていたが、定年後の10年前に蕎麦屋をはじめた。
「小菅の蕎麦がなければ蕎麦屋にならなかった。小菅蕎麦の香りと味、この美味しさを知ってほしくて蕎麦屋になったようなものです」

 玄蕎麦を見せてもらった。写真のように多少小粒だが、ふっくらとして、実がたくさん入っていそうな蕎麦である。





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