男のアイロン掛け
朝の出勤前。これから着るシャツのシワを、自ら行うアイロニングにてパリッと伸ばす。違いの判る男による、どこかハードボイルドな香り漂う「男のアイロン掛け」。そろそろ、こんな言葉が出てきてもいいのではなかろうか。
男の朝はアイロンで始まる。これはエクストリームアイロニングの世界では常識だが、世間一般ではまったく認知されていない。そもそもアイロン掛けなどやらない男達の、なんと多い事であろうか。世の多くの男たちは、今もってアイロン掛けの大切さを判っていないし、判ろうともしていないのであった。
通常、男の朝はけっこう格好が悪いものだ。もっと寝ていたい、会社に行きたくない、また仮病使おうかな、などなど。起き抜けは、こんな悲しい事柄が脳裏をかすめるが、しかし仕方がないと諦め顔で嫌々ベッドから起きる。そしてタバコに火をつけ、朝の一服をする者、または伊勢湾台風直撃チックな頭のまま、半ケツ出しつつ洗面所に向かう者、そして目覚ましを止めたのにうっかり二度寝し、マッハで着替えて携帯忘れて出ていく者。男の朝は大抵がノーマーシー、まったく余裕が感じられない厳しいスタートを切る事が多いのである。
それではエクストリームアイロニストである僕の朝はどうか。僕の朝は早い。5時半くらいに自然と目が覚め、すぐにお湯を沸かして外で紅茶を一杯飲む。早朝の外は、そこが都会だろうが田舎だろうがどこか崇高な時間を約束してくれるものだ。徐々に空の色が変わっていく様子を見ながら飲む朝の紅茶。これは格別である。僕はこのように大抵は優雅な朝を迎えるのだが、問題はここからであった。優雅に紅茶を飲みながら、アイロン掛けの準備もしておくのだが、そこでつい二度寝をかまし、起きるとすでに8時オーバーという事があるのだ。そんな時はマッハでアイロンを掛け、服を3秒で着て、半ケツ出したまま100m11秒フラットレベルで駅に向かう。そして時に携帯や財布、または定期を忘れてしまうのだ。そんな事も過去に実際にあった。アイロニストである僕の朝、それもまた見事な地獄絵巻なのであった。
それでも、僕は毎朝のアイロン掛けだけは絶対に欠かさない。寝坊しようがなにしようが、朝はアイロニングで僕のエンジンは始動を始める。旅行先だろうがキャンプ中だろうが、朝掛けしないと僕の脳はどこか間が抜け、メンタル的にバランスの悪い一日となってしまう事がある。そして朝のアイロニングは単純に気持ちがいいのだ。朝のアイロン掛けでは、前日までについた心のしわもしっかりと伸びているのかもしれない。

朝にアイロン掛けを取り入れるだけで、その日はどこか優雅なスタートが切れるものだ。スチームを通して朝から嗅ぐ洗濯石鹸の清潔な香りは、映画「地獄の黙示録」の中で第七騎兵師団のキルゴア大佐が嗅いだナパームの香りとは違い、実はかなり高貴で贅沢な香りと言える。早起きは三文の得というが、アイロンの朝掛けも、なんだかそんな印象なのである。僕にとっての朝のアイロン掛けは、非現実的な環境で行うエクストリームアイロニングと日常との、ある意味「懸け橋的時間」とも言えるだろう。
通常、男の朝はけっこう格好が悪いものだ。もっと寝ていたい、会社に行きたくない、また仮病使おうかな、などなど。起き抜けは、こんな悲しい事柄が脳裏をかすめるが、しかし仕方がないと諦め顔で嫌々ベッドから起きる。そしてタバコに火をつけ、朝の一服をする者、または伊勢湾台風直撃チックな頭のまま、半ケツ出しつつ洗面所に向かう者、そして目覚ましを止めたのにうっかり二度寝し、マッハで着替えて携帯忘れて出ていく者。男の朝は大抵がノーマーシー、まったく余裕が感じられない厳しいスタートを切る事が多いのである。
それではエクストリームアイロニストである僕の朝はどうか。僕の朝は早い。5時半くらいに自然と目が覚め、すぐにお湯を沸かして外で紅茶を一杯飲む。早朝の外は、そこが都会だろうが田舎だろうがどこか崇高な時間を約束してくれるものだ。徐々に空の色が変わっていく様子を見ながら飲む朝の紅茶。これは格別である。僕はこのように大抵は優雅な朝を迎えるのだが、問題はここからであった。優雅に紅茶を飲みながら、アイロン掛けの準備もしておくのだが、そこでつい二度寝をかまし、起きるとすでに8時オーバーという事があるのだ。そんな時はマッハでアイロンを掛け、服を3秒で着て、半ケツ出したまま100m11秒フラットレベルで駅に向かう。そして時に携帯や財布、または定期を忘れてしまうのだ。そんな事も過去に実際にあった。アイロニストである僕の朝、それもまた見事な地獄絵巻なのであった。
それでも、僕は毎朝のアイロン掛けだけは絶対に欠かさない。寝坊しようがなにしようが、朝はアイロニングで僕のエンジンは始動を始める。旅行先だろうがキャンプ中だろうが、朝掛けしないと僕の脳はどこか間が抜け、メンタル的にバランスの悪い一日となってしまう事がある。そして朝のアイロニングは単純に気持ちがいいのだ。朝のアイロン掛けでは、前日までについた心のしわもしっかりと伸びているのかもしれない。

朝にアイロン掛けを取り入れるだけで、その日はどこか優雅なスタートが切れるものだ。スチームを通して朝から嗅ぐ洗濯石鹸の清潔な香りは、映画「地獄の黙示録」の中で第七騎兵師団のキルゴア大佐が嗅いだナパームの香りとは違い、実はかなり高貴で贅沢な香りと言える。早起きは三文の得というが、アイロンの朝掛けも、なんだかそんな印象なのである。僕にとっての朝のアイロン掛けは、非現実的な環境で行うエクストリームアイロニングと日常との、ある意味「懸け橋的時間」とも言えるだろう。





