アウトドア・スポーツ

2008/04/22

EIJ Tシャツ製作総本山 フルヘッドの愉快なアミーゴ達

こうしてフルヘッドと出会った僕は、それから間もなくこの2人の底力を知ることになる。EIJのTシャツをフルヘッドが製作するという話がまとまり、さっそくデザイン案が送られてきた。それらデザイン案はどれも創造性に満ち溢れ、鋭くエクストリームアイロニングらしさが出ていた。そのどれもが極限性とユーモアを上手く表現しているのだ。それでいて彼らの仕事は激しく早く、そんな中にも常にユーモアを忘れないポップな感覚を持ち合わせているようであった。彼らは本当に少数精鋭だった。少数で多くの仕事を黙々とこなしていく彼らに、僕はただ感心していた。そして、ついにEIJの核となるTシャツが出来上がったのである。


左胸に攻撃的なアイロンのプリントが施され、そのアイロンから伸びるコードは背中の下部にまで達している。そしてコードの先にはプラグまでしっかりとデザインされた。右胸にはブランド名である「STEAM SHOT!」のレタリング。背中上部にはエクストリームアイロニングジャパンと英語で表記され、EIJのロゴもあしらわれているのだ。このTシャツは、おかげさまで現在では売り切れになっているが、今も要望が多いとの事で、もうすぐ再生産される予定だそうだ。詳しくはEIJホームページのリンクからフルヘッドのページへどうぞ。http://fullhead.open365.jp/

このようにフルヘッドの彼らから出る様々なアイデアは本当に柔軟で、僕はこのTシャツデザインを決定する経過においても、彼らから大いなる刺激を受けた。僕らアイロニストが持つ、物事を斜めに見る視点を、彼らもまた持ち合わせているようであった。素材、デザイン、色、イメージなど、新たにTシャツ一枚を世に出すには予想以上に一苦労である。しかも素材の仕入れから、デザインの発案、発注、受注など、そのすべてを彼らだけで全部こなしているのである。全盛期の光ゲンジも真っ青の、まさにスーパービジーな2人なのだ。


そして、運がいいのか悪いのか、僕と知り合った彼らは、ついにエクストリームアイロニング活動を始めるまでになった。安達さんは、EIJのTシャツなどを手がける以上は自分もエクストリームアイロニングに参加し、それを自ら経験しない事には良い製品は作れないと僕に言った。なんて立派な人なんだろうと僕は思った。仕事で日常的にアイロンを掛けまくっている2人なので、アイロン掛けの経験と技術に関してはまったく心配はない。ただ、エクストリームアイロニストになるにあたり、この2人に足りないのは、更なる強い肉体とアウトドアでの確固たる経験だと僕は思った。

安達さんは、常にエクストリームアイロニングへの情熱を感じさせる熱い男で、葛西臨海公園で競技練習などを今も地道に続けている努力家である。以前、僕と筑波山での山岳アイロニングを共にした事もあった。その下山時に強烈な肉離れを起こした彼は、「背負いますよ」という僕の提案をことごとく断り続け、片足を引きずりながらも見事下山を果たした。彼は、強い情熱と根性を持つ、僕が最も好きなタイプの男である。

そして佐藤さん。可愛らしい彼女は、実は秋田出身で、実家が牧場をやっているという娘さんだ。僕は彼女が持っているであろう、その秘めたる肉体的ポテンシャルに大きな期待を寄せている。今までEIJには、ハードコアなエクストリームに挑めるアスリート的女性アイロニストがいなかった。アイロニング練習時に彼女が見せる鋭い眼光は、僕や安達さんがちびりそうになる程の鋭さがある。時折面倒臭そうにアイロニングの話をしたりもするが、しかし彼女、なかなかやるのだった。


安達さんと佐藤さんは、今年から正式にエクストリームアイロニングジャパンのメンバーとなった。当たり前だが、彼らがEIJの正式メンバーになるのに、僕の友人だからといって特別視などは一切しなかった。彼らは純粋にEIJメンバーとしての基準をクリアしたのだ。彼らを含めて、EIJメンバー数は今では15名にまで膨らんだ。


僕は今では親しみを込めて安達さんを「アミーゴ安達」、佐藤さんを「ダルメシアン」と呼ぶ。アミーゴ安達は、時に店の前にアイロン台を置き、それをテーブル代わりにして酒を飲む。するとフルヘッドの周りはメキシコの田舎町のような空気に包まれ、道行く人々もどこかアミーゴ(兄弟)化するのだ。場所が場所なら、これは逮捕的行為である。しかし、このようにアイロン台をテーブルとして躊躇無く使うのは、本物のエクストリームアイロニストであるひとつの証でもあるのだ。

店先で、葛西のアミーゴ達に熱い視線を送りながらくつろぐアミーゴ安達の目には、時折光るものがあるのを僕は知っている。アミーゴ安達もまた、何かを胸に抱えつつ、それをアイロニングにぶつけているのだ。そしてダルメシアン佐藤といえば、胸に抱えた鬱憤を、時たまアミーゴ安達にぶつけているようである。それを受け止めるアミーゴ安達の目には、またもキラリと光るものが。やはり、どこに行っても「男はつらいよ」なのであった。親愛なる葛西の皆さん、アミーゴ安達がフルヘッドの店先で独りたそがれていたら、どうか優しく声を掛けてください、「アミーゴ!」と。それが女性だったら「ダルー!」でお願いします。



フルヘッドと僕との出会い。彼らとの出会いもまた、エクストリームアイロニングをやって得た僕の大切な財産のひとつである。彼らと一緒にTシャツのデザインや、競技系アイロニング新技の話、またはたわいのない世間話をするだけで、僕はどこか救われた気分になる。時に真面目に、時にユーモアたっぷりに話す彼らを見ていると、僕はまるでエクストリームアイロニングを見ているようで心安らぐのだった。だからなのか、フルヘッドはいつ行っても本当に居心地がいいのである。ここに来るようになったおかげで、僕は今までなんの接点も無かった葛西という街にも触れることが出来た。知れば知るほど渋い街である。何も西葛西や臨海公園だけが葛西ではない。葛西には、我らがフルヘッドがあるのだ。西葛西がインドなら、葛西はメキシコなのだ。アミーゴ&ダルメシアン、いつも本当にどうもありがとう。これからも無節操に寄らせてもらいます。

エクストリームアイロニングジャパンは、今では実に様々な人たちに支えられている。ここ数年での僕個人の出来事だけを振り返っても、相当にいろいろな出会いがあったのだ。そういう様々なジャンルの、様々な人たちとの結びつきが、僕自身のエクストリームアイロニング活動の心の支えになっているのは間違いない。エクストリームアイロニングジャパン、そして僕に係わるすべての人たちに今日も心から感謝をしつつ、僕はこれからも情熱を持ってアイロン片手に躍進していきたいと思う。そこに大切なアミーゴ達がいる限り。


フルヘッド:http://fullhead.open365.jp/





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