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2007/12/07

男のたしなみ=料理になりつつある時代。せっかくなら、他人より一歩先をめざしませんか。

寿司職人が自分の家に出張してくれて握りたての寿司をたらふく食べる、というパーティを、いつかやってみたいという夢がある。
たしかどこかの小説家だか漫画家だかが「寿司出張パーティ」の贅を書いていて、それはもう、うらやましかったのだ。

お寿司といったらハレの日の代名詞、襟を正して向き合いこそすれ、板前さんにネタごと家に来てもらうだなんて、そして自分は家のソファーに座って足を組んで、ガウンなんか着てお酒を飲んで待っていればいいだなんて、そんな偉そうなことでいいのか!世の中にはそんな贅沢をしている人間がいるのか!と怒りすら覚えたものだ。

だから、本当は大きな声で寿司出張パーティが夢だ、とは言っていなかったのだが、私は密かに最高の贅沢として、ぼんやりと妄想を温めていたのだった。

そうしたら、その長年の妄想は少しだけ形を変えて実現したではないか。
いや、人間どこで夢が叶うかわからない。

会社の50代のおじさんが、趣味はお寿司を握ること、というのだ。
それを聞きつけた意地汚い私や同じく意地汚い会社の仲間が、放っておくはずはない。同僚は見事な仕切りで、あっという間に1泊2日の寿司パーティを企画してくれた。

大人6人が泊まれるコテージで、寿司パーティは行われた。
職人(会社のおじさん)が築地から仕入れてきたという魚たちが、すでに下ごしらえされて美しくトレイに並んでいる。輝くような青いアジにやミルクのような白いイカ、深紅のマグロなどが次々とさばかれていく。
巻き簀から出てきたのは、黄金色に輝く出汁巻き卵。木箱からうやうやしく顔を出したのは、昇ったばかりの月のようなオレンジのウニ…。

これからやってくる至福の時を想像して、もうみんな黙っていられない。いちいちキャーッとかヒーッとか、もう大変な騒ぎである。
ピカピカのサーモンがガスボンベで炙られたときにはみんなの興奮も最高潮で、拍手がおこり一斉にフラッシュがたかれた。



寿司職人が握ってくれたのは、一人前12貫を6人前。きちんと一人ずつの器も持参しており、ガリとともに美しく並べられていた。
ここは間違いなく寿司屋だ! 夢が叶った!と、パジャマ姿の私は涙を流して神様と職人に感謝したのだった。





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