住宅ローンとの賢い付き合い方、選び方
最近、不動産価格が急速に上昇してきている。
湾岸戦争と言われた品川〜汐留エリアのタワーマンションでは、築後間もない中古物件が新築価格を上回る価格で売買されていたりする。
エリア、物件によってはこの1年で2〜3割の価格アップもそれほど珍しい事では無くなってきている。
一部ではミニバブル、なんていう言葉も囁かれる中、郊外エリアでは逆に価格下落に苦しんでいる物件も数多く見られる。
老後の生活をどのように送ろうかと考えられている方は、このギャップは大きなチャンスと言えるかも知れない。
あえて利便性の高い立地に所有する不動産を売却、もしくは賃貸運用し、差益をまだ価格上昇のみられない、郊外もしくはリゾート地の不動産購入資金に充てる。 景気回復の大きな実感値は無い中ではあるが、こんな事を考えられてしまうような環境になりつつある。
今後の動きに期待したいものである。
そんな背景もあってか、昨今、50歳代の住宅購入に伴うライフプランニングの相談が目立って増加してきている。
子供が独立し、大きな家が必要なくなり、第2の人生を自然の多い場所で過ごすことや、階段のないマンションで過ごそうとする方が目立って増えてきている。 40歳代までの住宅購入はサイズアップ、50歳以降はサイズダウンもしくはバリアフリー化である。
特に団塊の世代の方々は皆さん先入観がない。
こうでないといけない、という固定概念がなく、自由なライフプランニングを希望される方が多いように思う。
さて、そのような市況環境の中、私たちはどのようなお金との付き合い方をすべきなのか?
ライフプランニングの仕事をする中、「住宅ローンの選び方を知りたい」という質問が最も多い。
人生の3大資金と言われる、生活資金、教育資金、住宅資金。
教育資金はいかにコントロールしようとしても、住んでいるエリア、環境、ひいてはお子様の学力によって出て行くものは出て行ってしまう。
残りの資金を生活資金と住宅資金でとりあう形となる。
楽かどうかは別にして、金融機関が貸してくれる範囲であれば、返済できない住宅ローンはない。ただ、住宅ローンを払い終えた後、生活が継続できる資金が残っているかどうか、である。
そういう状況の中、いかに賢い住宅ローンの組み方が出来るか、がライフプランニングの中、必然的に最も重要な要素となるケースが多いのである。
現在の住宅ローンの主流は2〜5年固定の短期固定・低金利型のものか、フラット35を中心とした全期間固定型のものの2つの流れがある。
前者の短期間の固定金利型のものは、とにかく借りやすい。
低金利での支払条件で融資基準を設定してくれるからである。
逆に言えば、不動産の営業マン達は、このローンをこぞって勧める。
皆がそうだとは決して言わないが、彼らは売れればそれでいい。
ポイントは、固定期間終了後、返済を継続出来るか、である。
固定期間が終わり、急激に金利が跳ね上がった時、返済できるか否かは彼らには関係ない。
折角手に入れた家を手放す事にもなりかねない。
自分の身を守るためにも、短期固定型のローンを組む場合、ご自身のライフプランを是非チェックして頂きたい。
固定期間を過ぎた時期に、昇給や奥様の収入、退職金等、世帯収入を大きく上げられる要素があるか。
もしその確信が無いのであれば、固定期間後の優遇金利の大きいローンを選択して頂きたい。
2〜5年の固定期間が終了した後、1%以上の金利優遇が受けられるかどうかが基準と見ていい。
当初固定期間の金利は、金利優遇が小さいものと比べて0.2〜0.4%程度高いものが多いが、その後の金利上昇リスクを考えると、遥かに有利な返済条件となる。
逆に言えば、そういったローンを説明してくれる営業マンは信頼に足る人間だとも言える。
長期固定型のものも、いくつか選択肢がある。
まずはフラット35。
これはとにかく35年、返済額が変わらないというのが最大の特徴。
銀行でも人気のフラット35に対抗して、35年間金利の変わらない住宅ローンを多数発売している。
以前はフラット35が圧倒的に有利であったが、今は銀行も商品開発にかなり力を入れており、甲乙つけがたい状況にある。
あえて違いを言うのなら、フラット35はローン保証料は不要だが、団体信用生命保険は実費負担となる。
逆に銀行ローンは団体信用生命保険は負担しなくていいが、保証料は別途かかる。
あとは繰上返済のし易さや、他のローンとの組み合わせがポイントとなる。
また、フラット35の中には、当初40〜80万円程度の手数料を払うと、0.2〜0.3%程度金利が低くなる商品もある。
これは当初の繰上返済計画によって選択すべきかどうかが決まる。
返済総額を考えると、ローン返済開始から15年前後に損益分岐ラインが出てくる。
その期間、繰上返済をしない前提であれば、金利は少しでも低い方がいい。
逆に繰上返済を積極的に考えていたり、退職金による完済のタイミングが15年以内に来るのであれば、逆に金利の高い商品を選んだ方が有利なケースもある。
その他、3大成人病に対応した住宅ローンや、独身女性に有利な条件を兼ね備えたローン、子供が増えれば増えるほど金利が下がるローン等、様々な住宅ローンが出てきている。
現在は短期固定型のものと長期固定型のものを組み合わせたローンを選択される方が多い。日本経済が転換期を迎え、明確な答えを出せない状況下、「これを選んでおけば間違いない」という圧倒的な金融商品は存在しないせいであろう。
まずは自分自身のライフプランがどのような状況にあるかをしっかりと見据えた上で、金融商品主体ではない、自分自身の価値観をしっかりと見据えた上で、オーダーメイドのプランを作り上げていく事が重要な時代になってきた。





